梵行(ぼんぎょう)とは、出家者がまもる行い「戒」(かい)のことです。図解で説明します。「戒」とは、各個人に関わる、やってはいけない事の悪です。お経では・初梵行戒・完全無欠で清浄な梵行・道の梵行・梵行などの表現で出てきます。
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梵行とは
梵行(ぼんぎょう)とは、出家者がまもる行い(戒)のことです。経典や解説に出てくる梵行の表現が少し変わってでてきます。
・初梵行戒
・完全無欠で清浄な梵行
・道の梵行
・梵行などの表現です。
初梵行戒(しょぼんぎょうかい)
初梵行戒(しょぼんぎょうかい)は修行者が修行の初期に浄化すべき行いの「戒」のことです。
三つの清浄な身業
1、不殺生戒(ふせつしょうかい)・殺さない
2、不偸盗戒(ふちゅうとうかい)・盗まない
3、不非梵行(ふひぼんぎょう)・女性と交わらない
四つの清浄な語業
4、不妄語(ふもうご)・嘘をつかない
5、不両舌(ふりょうぜつ)・中傷しない
6、不悪口(ふあっく)・荒々しい罵り言葉を使わない
7、不綺語(ふきご)・冗舌をいわない
活命第八(かつめいだいはち)
8、清浄な生活・この清浄な生活を入れて活命第八(かつめいだいはち)と呼ばれます。
原始仏典は似たような言葉がたくさんでてくるので、ちょこっとした表現の違いを区別すると、原始仏典が読みやすく理解しやすくなりますよ!・初梵行戒・完全無欠で清浄な梵行
・道の梵行・梵行は仏典を読む限り、最後の「小中大の戒」に含まれています。
梵行(ぼんぎょう)の10種
原始経典で使われる梵行の10種の意味は下記で解説もされています。
1、布施
2、奉仕
3、五戒
4、無量(四無量)
5、淫行を離れる
6、妻の満足
7、精進
8、八斉戒
9、八正道
10、教説
「梵行が完成された」
「これは苦しみである・これは苦しみの生起である・これは苦しみの滅である・これは苦しみの滅する道であると四諦(したい)を如実(にょじつ)にしって、
「輪廻はなくなった、梵行が完成された」ってでてきてるね!
小中大の戒
経蔵「けいぞう」の長部経典の「戒蘊篇」にでてくる、「小・中・大の戒」を簡素にして抜粋して載せておきます。
〈小さな戒(初梵行戒、活命第八といわれます)〉
(身体の行いを清浄にする3つの戒)
1、生き物を殺生さない。
2、人の物を盗まない。
3、女性とみだらな行為をしない。
(言葉を清浄にする四つの戒)
1、嘘をつかない。
2、人と人とを不仲にさせる言葉は使わない。
3、乱暴な言葉は使わない。
4、つまらない冗談なども言わない。
・種子類、草木類を傷つけることから離れている。
・食事も一日に一度で済ませ、夜食などしない。
・踊りと歌と器楽の鑑賞から離れている。
・花飾りと香料と塗油など身につける飾り物から離れている。
・大きな寝具と豪華な寝具も使用しない。
・金銀も受け取らない。
・生の穀物や生の肉も受けとらない。
・婦人や少女の受納もしない。
・奴隷の受納しない。
・山羊や羊、鳥、豚、象、牛、馬なども受けとらない。
・田畑も宅地も受け取らない。
・使者や使い走りの仕事もしない。
・売買などもしない。
・金の重さをごまかしや升目を偽ることもしない。
・賄賂と詐欺と偽物でだますことなど邪悪な行為などしない。
・斬ることと、殺すこと、縛ること、待ち伏せすること、かすめ取る、強奪することなどしない。(もろもろまとめて正常な生活の戒)
〈中戒(清浄な生活)〉
・草木や種子など損なうことはしない。
・食べ物や飲み物、衣類に乗り物、寝具、香りの良い物、美味な食べ物など持ち物の貯蔵などしない。
・踊りに歌謡、器楽、見せ物、語り物、手鈴楽、シンバル楽、鼓楽、手品、鉄のたま遊び、竹の遊び、遺骨洗い、象、馬、水牛、牡牛、山羊、羊、闘鶏、うずらの闘い、棒での闘い、拳闘、相撲、軍事演習、兵列、配兵、閲兵、というこのような、曲芸や闘いなど見世物の見物などしない。
・将棋に碁遊び、さいころの賭け事など、怠ける原因となる遊びもしない。
・豪華な椅子や毛皮のじゅうたん、必要以上に大きい寝具などからのぜいたくなどしない。
・マッサージや入浴のアロマや香水などのエステや、腕輪、髪飾りの装飾品など身を飾ることなどしない。
・王の話、盗賊の話、戦争の話、世界の話、世間話などや祖霊の話、世界についての話、存在するか存在しないかの議論など無益な会話などしない。
・「君はこの教義と戒律を理解していないが、私はこの教義と戒律を理解している、どうして君がこの教義と戒律を理解できるのでしょうか?」「わたしの説は理にかなっているが、君の説は理にかなっていない。」このような論争からも離れている。
・国王や大臣やバラモンからの使い走りの仕事からも離れています。人をだます詐欺や占いや虚言、利益を貪ることもしない。
〈大きな戒(避けるべき邪悪な生活手段)〉
・手相や身体の特徴による占い、天変地異の占い、夢占い、ネズミのかじり後による占い寿命占いなどしない。
・火をたいて、お米や油や杓子や血を神に捧げる行為などもしない。
・身体による占術、土地や領土や墓地での占術など、超自然的な力の存在を信じ、特殊な自然現象や人間現象の観察によって将来の出来事や人の運命などを判断し予言する術などしない。
・鬼霊を鎮める呪文、蛇やさそり、ねずみにかまれたときなどの解毒の呪文、からすや鳥の鳴き声による占いなど神秘性によって効力をあらわす行為の無益な呪術などしない。
・宝石の相、刀や剣の相、衣服の相、女性の相、男性の相、少年の相、奴隷の相など、物や人の見ためや身体のつくりから性格判断や生涯の運勢を割り出す無益な呪術などしない。
・戦争の勝ち負けの判定など無益な予想などしない。
・日食があるだろう、月食があるだろうとかの、太陽や月や星など天体の動きの占いなどしない。
・今年は豊作になる、不作になる、飢饉がくるなどといった無益な予測などしない。
・結婚によい吉日など日取りに関わることや、幸運になる呪文や不幸に陥れる呪文、鏡に神託を問う祈祷、太陽や大梵天に奉仕する祭司などしない。
・願掛け、土地浄化、さらには身体を治療することなど無益な呪術などもしない。
(参考:「図解」ブッダの教えもくじはこちら)