この「大日経」(だいにちきょう)字輪品第十(じりんぼん)は、角川文庫「全品現代語訳 大日経」著者:大角修先生の本を主に参考にして、ほぐし読みにしました。
前回、大日如来は、密印を説かれました!↓

「阿・ア」から多くの字が生じる字輪(じりん)「大日経」字輪品第十ほぐし読み⑪
字輪品第十(じりんぼん)
字輪(じりん)とは、一字から多くの字が生ずること、その根本が「阿・ア」
《遍一切処の法門を説きます。》
大日如来は金剛薩埵に伝えます。
遍一切処(へんいっさいじょ)という「あらゆるところに至る」という法門があります。
それは、今から伝える
阿字門(あじもん)に住すれば、
菩薩としてなすべきことは成就するでしょう。
なうまくさまんだぼだなん 「あ」
(尽十方の諸仏に帰依してたてまつる。「阿」)
なうまくさまんだぼだなん 「さ」
(尽十方の諸仏に帰依してたてまつる。「娑」)
なうまくさまんだばじらなん 「ば」
(尽十方の一切金剛に帰依してたてまつる。「嚩」)
以下の文字は省略されています。
「あ」は、仏部(中台八葉院・遍智院・釈迦院・文殊院・持明院の「五大院」と、虚空蔵院・蘇悉地院・外金剛部院の中央列)
「さ」は蓮華部
「ば」は金剛部
とされると解説されています。
《胎蔵界マンダラの仏部・蓮華部・金剛部の位置の参考図》




大日如来は言います。
この字門は巧みな法門で、一切如来の神力に加持されています。
ここで説いた真言の句に意を決定して用いなさい。
字輪は一字から輪転する。
真言の行者はそれを知るから、
常に世間を照らして法輪を転ずること、
大日如来のごとくなのです。
《字輪品第十 おわり》つづく
ねぇ、ぼーさん!「あ」から多くの字が発生するんだね!
ほんとだね!えん坊!
日本語も「あ」から、英語も「A」が最初で、アルファベットでも「あ」と読みはじまるから不思議だね!

