ブラフマンがブッダに伝道懇願するお経「聖求経」③(しょうぐきょう)
「聖なるものを求めて③」*ブッダ成道後、ブラフマンが懇願する




中部教典 第26経 「聖求経」(しょうぐきょう)はブッダはなぜ出家をしたのか、ブッダが出家を決意する心境が詳細に書かれているお経です。出家してアーラーラ長老(漢訳では仙人)とウッダカ長老の教えを受けたのち、一人で修行し、独坐で成道(ニッバーナ)しました。自ら如実体現した成道の真理の教えを梵天ブラフマンから懇願されて、説法の伝道を決心して、初めての説法するブッダの様子が描かれているお経です。このサイトでは3話目です。
第26経「聖求経」ほぐし読み③「第三話」
《第一話》ブッダが出家を決意する「聖求経」①はこちらです。
ブッダは見事、
成道を得たのでしたが、
次のような思いがよぎりました。
「わたしが苦労して、獲得したこの真実はじつに深遠で、見がたく、理解しがたく、静寂で、すぐれていて、それは、思考の領域ではなく、微妙なものなので賢者によって知られるものである。
しかし、世の中の人々は、執着を好み、執着を楽しみ、執着を喜んでいる。
執着を喜んでいる人々には、執着が苦である縁起という道理を見ることが難しいであろう。
また、自己の精神作用が静まり、一切の生存のしがらみを捨て去り、渇愛を消滅し、汚れが薄くなり、滅し尽くされるニッバーナというこの道理も見ることが難しいであろう。
しかも、もし、わたしがこのニッバーナの道理の教えを説いたとしても、他の者たちがわたしのことをよく理解しなければ、わたしは疲れるし、がっかりするだろう。」
と思い、こんな詩句がひらめいた。
わたしが苦労して得たものを、いま説く必要はない。
貪りや怒りに負かされた人々には、この真理はよく理解しがたい。
世間の流れに逆らい行き、微妙で、深遠で、見がたく、微細であるこの真理を、
貪欲に染まり、暗黒に覆われた人々は、見ない。
その時、世界の主の梵天ブラフマンがこころの中のわたしの考えを知って、
と次の瞬間、
梵天ブラフマンはわたしの目の前に現れて、わたしに合掌をしてこう言いました。
「尊い方よ、世尊は教えを説いてください。幸いな人は教えを説いてください。生まれつき汚れの少ない人々がいますが、教えを聞かないで衰退しています。かれらは教えを理解できるようになるでしょう。」
さらに、こういいます。
「かつて、マガダ国に、汚れた者たちが考えた不浄の教えが現れました。
この不死の門を開いてください。
人々が、汚れのない者によってさとられた真理が聞けるように、
あたかも山頂の岩に立って、あまねく人々を見わたすように、
賢者よ、真理の高殿に登り、教えを説いてください。
あまねき眼をもつ賢者よ、憂いを離れたあなたは、
憂いに覆われ、生まれと老いに負かされている人々を観察してください。
勇者よ、立ってください、戦いの勝利者よ。
隊長と、負債のない者よ、世の中を歩いてください。
世尊は教えを説いてください。理解する者たちも現れるでしょう。」
その梵天ブラフマンの懇願を聞いて、
わたしは世の中の命あるものたちへの憐れみから、
目覚めた者の眼をもって世の中を眺めました。
汚れの少ないもの、汚れの多いもの、教えやすい者たち、教えにくい者たち、
ある人々は来世や罪に対する恐れを見て過ごしているのを見ました。
それはちょうど、池の中で成長する蓮を見るように、
世の中の、汚れの少ないもの、汚れの多いもの、教えやすい者たち、
教えにくい者たち、ある人々は来世や罪に対する恐れを見て過ごしているのを見ました。
そこで、わたしは梵天ブラフマンに詩句でこたえました。
耳ある者たちに不死の門は開かれた。
信頼を寄せなさい。
わたしは害意をもって、
体得したニッバーナの真理を人々に説かなかったのである。
とブッダは教えを伝道する決意をしたのです。
すると、
梵天ブラフマンは
と姿を消しました。
「第四話」へつづく
ブラフマン(梵天)はバラモン教の最高神


よく見ると、だんだんマンガのタッチが変わってきているね!今までのワンノートからペイントソフトに切り替えて慣れてきたみたいだね!えん坊やるじゃん♪(笑)