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サーンチー 世界最古のストゥーパ サーリプッタとモッガラーナの墓もある第8回 ブッダを探しにインドに行った

サーンチー ストゥーパ
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サーンチー 世界最古のストゥーパ サーリプッタとモッガラーナの墓もある 第8回 ブッダを探しにインドに行った 

サーンチーストゥーパ

サーンチーのストゥーパ

サーンチーのストゥーパは、紀元前3世紀にアショーカ王によって造られて、ほぼ完全に残っている世界最古のストゥーパ(仏舎利塔)です。

世界最古のストゥーパ(仏舎利塔)

現在日本の五重塔など世界中の仏舎利塔の原型は、このサーンチーの丸いドーム型のストゥーパになります。

紀元前にはまだ仏像が造られていないので、ストゥーパ礼拝(チャイティヤ)のとても古いブッダの礼拝対象になります。

紀元前には仏像が造られていません

経典には長部経典第16経の「大般涅槃経」(だいはつねはんきょう)に、ブッダがなくなって荼毘(だび)されたことが説かれている。仏舎利信仰の現存する一番古いストゥーパがこのサーンチーのストゥーパになります。

ブッダ自身は訪れていない場所ですが、この地域に仏舎利が祀られて、仏教寺院もたてられ、仏教が繁栄したことが遺跡から感じ取れます。

建築したのは、紀元前3世紀にインドを初めて統一したアショーカ王です。アショーカ王はブッダを信仰して国を統治していったので、インド各地にブッダの遺骨を安置する仏舎利のストゥーパを建てました。

このサーンチーのストゥーパには、第1塔、第2塔、第3塔のストゥーパがあり、世界遺産に登録されています。

そして、この第3塔には、あのサーリプッタとモッガラーナの遺骨がストゥーパに祀られていたのです。仏舎利信仰だけではなく、仏教僧団を継承していった偉大な仏弟子たちも大切に遺されたのが感じとれる場所なのです。

第1塔(だいいっとう)ストゥーパ

サーンチーストゥーパ2
《写真》第1塔ストゥーパ

丸いドーム形状の覆鉢(ふくはち)の直径が約36m

高さが、約16mあります。

頂上には平頭(へいとう)とその上に傘蓋(さんがい)も

みごとに残っています。

アショーカ王建設当時は半分くらいの大きさが、

どんどん拡張されて現在の大きさになったと言われています。

この第1塔のストゥーパは基壇(きだん)の上に建てられていて、

周りには石の柵の欄楯(らんじゅん)で囲まれています。

この石の柵のすき間から太陽の光が差し込むと、

きれいな光の線がでてきます。

計算されたかのようにきれいな線ですので動画でもどうぞ見て観てください。

石の柵とドーム型の覆鉢(ふくはち)の間の回廊が、遶道(にょうどう)と呼ばれています。

サーンチーストゥーパの遶道(にょうどう)
《写真》石の柵の欄楯(らんじゅん)からでた光の道

トーラナの4つの塔門(とうもん)

ストゥーパの四方の入り口には、約10mの高さがある塔門の「トラナ(トーラナ)」が建っています。

このトラナは紀元前1世紀に建てられたと解説されています。

日本の鳥居の原型に思えるとも旅行書の解説にありましたが、

建築の解説では特に関係があるわけでもなく木造門の原初的な形状とも解説があります。トラナの漢字が鳥居になったなどいろいろ説があり、

色んな意味で神秘的なことも感じさせてもらえるところでした。

個人的にはこのトラナは仏舎利の四方にあるのと、鳥居の方が簡素なつくりなので、このトラナを参考にして鳥居をつくるのなら、鳥居の柱にも彫刻を彫るであろうから、違うなぁと感じました。

東トラナ(トーラナ)

象が柱に彫られていて、たくさん象も装飾されているトラナです。表面にはブッダ誕生前に母のマーヤーが見たゾウ夢が彫られています。だから象の装飾が多いのですね。トラナにはたくさんの彫刻が表にも裏にも、柱の内側にも外側にも、ひしめき合って彫られているので、どこにどの描画がされているのか、少しわかりづらいです。

塔門のトラナ、東トラーナ
塔門のトラナ、東トラーナ2
塔門のトラナ、東トラーナ3
塔門のトラナ、女神ヤクシー
もともとすべての門を守護していた、樹の女神ヤクシー
よくみると女性性器も彫られています。
西トラナ(トーラナ)

小人が柱を支えているトラナです。

サールナートにおける初転法輪などが彫られているミトラです。真ん中に法輪が彫られています。

塔門のトラナ、西トラーナ
中央に法輪、上と下にストゥーパが彫られています。
塔門のトラナ、西トラーナ
南トラナ(トーラナ)

アショカ王の獅子柱とおもわれるライオンが彫られているトラナ。

アショカ王の獅子柱頭はインドの国章のデザインにもなっています。

南門にあるのがさすがだぁと感じました。

表面には、ブッダの誕生が彫られています。蓮の花と母マーヤーが彫られています。

塔門のトラナ、南トラーナ
アショーカ王の獅子柱頭
塔門のトラナ、南トラーナ2
中央に仏舎利塔が刻まれています。
北トラナ(トーラナ)

東トラナと似て柱に象が彫られていますが、北トラナの頂点には法輪の輪が欠けていますがあります。ブッダが悟りを開いた象徴の菩提樹が彫られています。紀元前なのでブッダ自身の仏像が彫られていません。

塔門のトラナ、北トラーナ
塔門のトラナ、北トラーナ2
中央の小さな柱に菩提樹、両サイドには獅子も彫られています。
ゾウの両サイドの樹の女神ヤクシーにも女性性器が彫られています。
塔門のトラナ、北トラーナ3

第2塔(だいにとう)仏弟子たちが祀られているストゥーパ

第1塔から500mほど離れたところにあるストゥーパです。

紀元前2世紀の建てられました。

直径約15mで門であるトラナがないストゥーパです。

仏弟子の遺骨を祀っていると解説されています。

残念ながらこの時は第2塔に行っていませんでした。

体調不良だったのもありますが、少し後悔です(;´Д`)

第3塔(だいさんとう)サーリプッタとモッガラーナが祀られているストゥーパ

サーンチー第3塔 ストゥーパ
サーリプッタとモッガラーナの墓
《写真》第3ストゥーパ 傘蓋が1段とシンプルです。

第一塔の向かいにあります。

直径約15mの大きさです。

トラナが南側にひとつ建っています。

ここにはなんと、サーリプッタとモッガラーナの遺骨が納められていたストゥーパです。

その二人の遺骨は第3ストゥーパの北側にあるヴィハーラ寺院に大切に祀られていると解説されています。

サーリプッタとモッガラーナの遺骨が納められていたストゥーパ

サーンチー第3塔 ストゥーパ
サーリプッタとモッガラーナの墓2
インドの家族連れや学生さんから写真を一緒に撮ろうと言われて、インドの人と映っている写真が多く残っている第3ストゥーパでした。
サーンチー第3塔 ストゥーパ
サーリプッタとモッガラーナの墓3
サーンチー第3塔 ストゥーパ
サーリプッタとモッガラーナのトラナ
サーンチー第3塔 ストゥーパ
サーリプッタとモッガラーナのトラナの床
ミトラの下の床にも彫刻があります。

こういう遺跡を直接見ると、サーリプッタとモッガラーナも、ただ単に経典にすごい人と、かかれている人物ではなくて、実在した人物であることがしみじみと実感できました。その偉大なる二大弟子の遺骨も、ブッダのストゥーパの隣に祀られていることを写真を整理しながら考えていると、感動の気持ちがこみ上げてきます。

その他の遺跡の写真
サーンチーストゥーパ5
寺院・僧院跡
サーンチーストゥーパ6
サーンチーストゥーパ7
サーンチーアショカ王の石柱
アショカ王の石柱(アショカピラー)

サーンチーの位置

サーンチの行き方

ボパールからバスで行きました。

バスに乗り込んだ始発のバス停はガラガラで余裕だったのですが、

バスが出発してバス停にとまるごとに、人が乗車してきて、

気づいたら満員であふれそうな勢いです。

座席に座っていたのですが、隣には子供たちが詰めて乗っています。

立っている人も揉みくちゃで、座っているぼーさんの顔の横に腕があったりもしていました。

途中のバス停で停まるごとに、バスに乗り込む人が大勢待っています。

すでにバスは満員パンパン状態です。それでも人は乗り込んできます。

若いころパニック障害にかかった経験があるので、

満員状態はとてもとても苦手なので恐怖を感じました。

途中で降ろしてもらおうという思いも頭をよぎりましたが、

バスから見る風景は、なんにもない原っぱでした。

こんなところで降りても何もないので、余計に危険です。

とにかく耐えしのぐしかありませんでした。

距離にして30kmぐらい、

バスの乗車時間も1時間半と書いてありましたが、

パンパンの状態で参ってしまいました。

地元インドの人も頭をふさぎこんで座っているので、

インドの人も満員状態が苦手な人もいてるのだなと思いました。

どこがサーンチーなのかもまったくわからない状態で、

どうやってこのパンパン状態から降りていったいいかもわからない、

そんなことを考えると余計にパニック障害の苦しい症状がでてしまいます。

そんな中、ただただひたすら耐えしのいでいたら、

バスが止まり。乗客みんなが、ここがサーンチーだよっ!と

親切にみんなバスを降りて、ぼーさんを降ろしてくれました。

バスを降りてほっとしてもフラフラしていました。

隣に座っていた子供たちはまだバスのパンパン状態の中です。

大丈夫かな?頑張ってほしい!という思いがあったので、バスの外からキャンディーを渡してあげました。

バス停の向かいがストゥーパのある世界遺産の場所できれいなところでした。

帰りはバスに乗り込む気力がでなかったです。

見渡してもタクシーもいなかったので、三輪タクシーに無理を言って、

ボパールまで行ってもらいました。

ほんと長い距離の運転ありがとうございました。

動画は、サーンチーのストゥーパだけで、

スライドショーと動画をまとめました。雰囲気を感じてみてください。

《参考文献》インド建築案内 著者:神谷武夫

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《参考文献》地球の歩き方 インド

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第1回はこちらです↓

ブッダを探しにインドに行く
第1回ブッダの教えがインドにあるのか痕跡と現状を確かめに行った 2014年 首都ニューデリー編ブッダの教えがインドにあるのか痕跡と現状を確かめに行った 首都ニューデリー編 インドに仏教があるのかを知りたかった。 2014...