マンガ「説話集」マハーカッサパの出家
前回、《カッサパの結婚》でカッサパは、黄金の女神像に似た女性があらわれたので、お互いに話し合い、形だけの結婚をしました。そして二人の生活が始まります。
マハーカッサパの出家 仏教説話集




《ピッパリ(カッサパ)の結婚生活》
こうして二人が結婚して12年の月日がたち、
その間に彼の両親が相次いでこの世を去っていき、
彼は心ならずも家業を継いでいましたが、
彼も彼の妻も、ともに浮世をきらい、
道をもとめる志は変わっていませんでした。
《ピッパリ(カッサパ)出家の決意》
そんなある日のこと、
ピッパリは牛にのませる油を搾るために、
召使いに命じて豆を天日にさらさせました。
彼と妻はむしろのうえに広がられた豆をみていましたが、
その粒と粒のあいだにたくさんの虫がうごめいているのを見て、
知らず知らずに犯している殺生をあさましく思い、
気持ちがしずみ、しばらくうなだれていましたが、
ピッパリはついに家を捨てて出家すること決めたのでした。
そこでピッパリは全財産をことごとく召使いに分け与え、
自分は一枚の布で衣をつくり妻に別れを告げました。
こうして出家したピッパリは、
カッサパ族の出身であったため、
マハーカッサパと呼ばれるようになったのでした。
奇しくも彼が出家した日は、
ブッダが菩提樹の下で悟りを開いて仏となった日と同じでありました。
「マハーカッサパの出家 終わり」 つづく

