マンガ「説話集」マハーカッサパの決集の決心
前回、《カッサパとブッダの涅槃》でカッサパは、入滅して荼毘されたブッダを火葬して見送りました。
マハーカッサパ・大迦葉(だいかしょう) 第一結集「決心」 マンガ仏教説話




《マハーカッサパ結集の決心》
釈尊が涅槃に入ってから七日ほどたった時、マハーカッサパは年老いてから出家した僧のスバッダが聞こえよがしに語るのを聞きました。
尊者かたよ、泣きなさるな、嘆きなさるな、この教えを守れとか、あれをしてはいけないとか、やかましかったお方が亡くなられて、我々はやっと解放されて自由になったではありませんか。いままではこれはいけない、あれもいけないと言われどおしでいつも悩まされてきましたが、これからはもうやりたいことをやり、やりたくないことをしなくてすむではありませんか!
これを聞いたマハーカッサパは頭を抱えましたがすぐにある一大決心をしました。
世尊がこの世を去っておしまいになってからまだ数日もたっていないのに、早くもこのようなことを口にするものがいるようでは先が思いやられる。それほど年月がたたないうちに正しい教えが滅んでしまうかもしれない。
こう考えたマハーカッサパはさっそく多くの長老たちに呼びかけました。
「わが友たちよ、世尊は我々にこうおっしゃっていました。」
『わたしが亡き後は、正しい教えを受け継ぎ、戒めを守りなさい。その教えと戒めこそがあなた方を導く師なのです』
と。
その教えと戒めを誤りなく正しく伝えるために集まりをもって確かめ合おうではありませんか!

わたしはかつて、世尊がご着用になった糞掃衣をいただいたことがあります。

世尊が座を半分譲ってくださったこともあります。
そんなことを思うにつけ、国王がよろいや領土を後継者たる王子に譲るように、世尊がわたしに正しい教えを受け継ぎ守るように命じられたのだと思うのです。
さぁ、悪い考えがはびこったり正しい戒めが退けられたりすることのないよう、集まって世尊の説かれた規律と法を確かめ合おうではありませんか!
マハーカッサパの熱意をひしひしと感じた長老たちは、みな賛成しました。
《マハーカッサパの結集決心 終わり》 つづく
スバッダは第十六経「大般涅槃経」に、2人出てきます。
ブッダが入滅前の病気のときに、同じ名前の「遍歴行者のスバッダ」が出てきます。
この遍歴行者スバッダは
「今夜、最後の時刻にゴータマは亡くなるであろうと聞いた。ゴータマに聞きたいことがある。」と、ブッダが疲れているところに押し寄せてくるのです。
アーナンダーは面会を拒むも、三度「会わせてほしい」とスバッダは言い寄ります。
ブッダはスバッダの面会を許可して、「八正道が理法である」と答えます。
スバッダはブッダに具足戒を受けさせていただきたいと願い。
ブッダは承諾します。
ブッダの最後の直弟子になったのです。
スバッダはその後、独りで熱心に修行をしてさとりを開きます。
年老いて出家した暴言比丘のスバッダとは別人です。



