この法華経(ほけきょう)「法師品第十」(ほうしほん)ほぐし読みは、「大乗仏教」の妙法蓮華経を、大まかにほぐし読みに整理しました。
法華経「図解①」.法華経「図解②」と照らし合わせてみて下さい。
法華経(ほけきょう)「法師品第十」(ほうしほん)ほぐし読み⑩
第十章「法師品第十」(ほうしほん)
前回、「授学無学人記品第九」(じゅがくむがくにんきほん)では、アーナンダーとラーフラーが未来に如来になると記を受けました。

《ブッダが薬王菩薩に告げます》
霊鷲山の法会に八万の菩薩がいて、その中に薬王菩薩がいました。
ブッダは薬王菩薩に言います。
梵天など天の神々、比丘、修行僧などたくさん仏道を求める人がいます。
仏の滅後であっても、仏に敬いささげて妙法蓮華経の一偈一句でも聞く人、一瞬の喜びを心に持つ人は、みな無上のさとりを得るであろうと、授記をさずけます。
しかし、法華経を読誦する人をそしれば、その罪は重いのです。
薬王菩薩よ、
わたしは数多く教えを説いたが、「法華経が第一」です。
しかし、このお経は難信難解で、いまでも排斥(はいせき)、しりぞけられている。
まして滅後は多くの迫害を受けるでしょう。
如来の滅後に、法華経を保持し、読誦する人は、如来に頭をなでられるように加護されるでしょう。
法華経のあるところに塔を建てなさい、
仏舎利だけではなくお経にも如来がいます。
法華経を見て、聞く人に「阿耨多羅三藐三菩提・あのくたらさんみゃくさんぼだい」(無上の真実の完全なさとり)が近いと知りなさい。
日本のお寺や神社に、「経塚」(きょうづか)と書かれた塚があります。法華経を埋めて塚を建てています。下の写真は滋賀県大津市の近津尾神社の経塚です。懐かしい~。
沖縄の浦添市にも経塚という地名があり、ゆいレール駅の「経塚駅」もあります。
*2022年6月補足:沖縄の経塚では「金剛経」を埋めてお化け退治をしたと伝えられていました!


《ブッダは譬喩を伝えます。》
【高原穿鑿の譬喩】(こうげんせんしゃくのひゆ)

高原の荒れた地で水を求めて、土を掘る人がいたら、
地を掘って乾いた白い土がでてくるだけなら、まだ水が遠いと思います。
しかし、さらに掘って湿った土がでてきたら、水は近いと思います。
さらに泥がでてきたら、必ず水が得られると確信します。
これと同じで、
菩薩の道を行く人で、法華経を聞いて、驚き疑いがあるのなら、志がまだ浅い状態です。
声聞の道を行く人で、法華経を聞いて、驚き疑いがあるのなら、それは増上慢の人です。
ブッダ自身が入滅後、法華経を四衆のために説こうとする人は、
如来の室である、慈悲の心に入り、
如来の衣である、柔和忍辱の心で、
如来の座である、すべての関わりは空であると知り坐するのです。
もし法華経を説いて、ののしられ、刀で切りつけられ、杖で打たれても、仏を念じ耐え忍びなさい。
護衛の士を出現させます。
法華経を説き広める人は、神々と精霊たちから讃えられるでしょう。
《法師品第十 おわり》 つづく

