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「譬喩品第三」(ひゆほん)法華経(ほけきょう)ほぐし読み③
第3章 「譬喩品第三」(ひゆほん)
前回「方便第二」では、ブッダはサーリプッタに諸法(阿羅漢の道)より無上のさとりがあることを伝え、疑念を捨て去り、仏をめざしなさいと終わります。

《サーリープッタがブッダに伝えます》
なぜ世尊は今までわたくしたちに阿羅漢の道を行けと言われるのだろうかと疑問がありました。
世尊はわれらを捨てられたのかと疑いも持ちました。
しかし、世尊は仏の方便を発動して教え導いてくれると知り、心は喜びに満ちました。
未来に仏になり、無上の法輪を人々に伝えて菩薩の道へ導きます。
前回のサーリプッタさんはブッダの方便の話に疑念を持っていたのに、今回の話では「阿羅漢より上の無上のさとりの事を言わなかったブッダに疑念を持っていた。」と言ってるね。
《サーリープッタは未来に仏になる》
ブッダはサーリープッタに未来は華光如来になりますと伝えると、
それを聞いていた神々も讃え、
「世尊は昔ヴァラナシで最初の法輪を転じ、今ここに無上の法輪を転じられた。」と喜びます。
次にブッダはサーリープッタ以外の者たちに、三者火宅の譬喩(さんしゃかたくのひゆ)を説きます。
《三者火宅の譬喩》(さんしゃかたくのひゆ)

火が燃え広がる富豪の家の中で、くるまのおもちゃで遊ぶことに夢中の子供たちを、どうにかして外に連れ出すために、
富豪の家の長者は、門の外には、羊と鹿と牛の3つの車があるから、子供たちに早く出ていきなさいと伝えると、
子供たちは車につられて自ら外に出てきました。
そして外には羊・鹿・牛のとても豪華なクルマがあって、子供たちは大いに喜んだたとえ話をします。
それと同じように、
人々の衆生も貪瞋痴で燃えている三界の火宅にいるので、
三乗の道を声聞、縁覚、菩薩(羊・鹿・牛の車)の説法をしてきたのです。
それは仏の方便で三乗の教えを説き、それから一仏乗を説くのです。
《苦諦の説明》
人々を苦の三界から救い出す方法に、
貪欲に強く囚われている者には、苦諦を諭します。
苦のもとを知らず、なお苦に囚われているものには、その道を示します。
もろもろの苦は貪欲を原因として生起しているので、貪欲を滅すために、執着してはいけません。
苦を滅することを滅諦といい、滅諦のための修行の道があるのです。
そして苦に囚われている迷妄から脱することを解脱といいます。
かれらは何から解脱するのでしょうか?
それは虚妄の苦から脱するだけであって、真実に解脱したのではありません。
かれはまだ無上の道を得ていないのです。
それゆえに方便の力で一仏乗を説き、分別して三乗として教えを説いて、人々を仏の智慧に入れるのです。
【一仏乗】(いちじょうぶつ)
声聞(四諦の教え)・縁覚(十二因縁の教え)・菩薩(六波羅蜜)のすべての教えを統合したさとりへの乗り物
法華経は深い智慧の言葉です。声聞、縁覚らのちからのお及ぶところではないのです。
智慧から遠く、自我にこだわっている者たちはとまどい、疑うでしょう。
わたくしブッダは神通力でそれを知り、この法華経を説かなかったのです。
衆生を安穏させるために、わたしは世に現れるのです。
法華経を信仰する者は、過去にも如来をみて、この法華経の教えを聞いた者たちでなのです。
サーリープッタよ高慢な人や、愛欲に飲まれた人に、この法は説いてはならないのです。
智慧から遠い者たちは法華経を聞いて疑念にとらわれ誹謗したり、
真理の道が遮断されると、より深い苦悩の三界に沈みます。
そのような人は深い地獄に堕ちて、動物の世界に生まれて、あさましく争うことになります。
サーリプッタよこの大乗経典を信仰して、他の経典を好まない人に、この法華経を説きなさい。他の道を行く外道などに関わりあうことなく、これらを避けている人に法華経を説きなさい。
《比喩品第三 おわり》 つづく
へぇ~!ぼーさん、ここでもブッダは、四諦の道諦の教えが八正道とは言ってなくて原始仏典と違うよね!誹謗する人は地獄に堕ちるし、最後も気に入ってもらえる人に説きなさい。って言っているね。四諦と八正道の教えを知らなかったのかな?
ほんとうだね!えん坊!この章では、苦から解脱しても、まだ無上の道には入っていない。と言っているから、法華経では、この無上の道の教えが四諦より上の教えなんだろうね?続きも見てみよう!
それにしても、いままのブッダの教えが方便だし、サーリプッタさんの疑念の内容も変わるからわかりづらいよね。原始仏典のお経と比べると、お経というより付け加えた創作の話に感じるね。


