この法華経(ほけきょう)「普賢菩薩勧発品第二十八」(ふげんぼさつかんぼつほん)ほぐし読みは、「大乗仏教」の妙法蓮華経を、大まかにほぐし読みに整理しました。
法華経「図解①」.法華経「図解②」と照らし合わせてみて下さい。
「普賢菩薩勧発品第二十八」(ふげんぼさつかんぼつほん)
前回、「妙荘厳王本事品第二十七」(みょうしょうごんのうほんじほん)では、浄蔵(じょうぞう)と浄眼(じょうげん)が両親に法華経をすすめる妙荘厳王本事品を説きました。

普賢菩薩がでてくる 法華経の最後のお経 「普賢菩薩勧発品第二十八」(ふげんぼさつかんぼつほん)

《普賢菩薩が集会に参加します。》
普賢菩薩が東方の宝威徳上王仏の国から、集会に参加しに来ました。
ブッダに質問します。
男であれ女であれ、どうすれば、ブッダ入滅後、法華経を得ることができるのでしょう?
ブッダは答えます。
男であれ女であれ、この四法において全き者は法華経を得るでしょう。
四法とは、
1、諸仏の護念
2、もろもろの徳本
3、正定聚(しょうじょうじゅ)さとりに至ると心を定めた状態
4、一切衆生を救いたいという祈念の心をおこす。
です。
原始仏典 第十六経「大般涅槃経」では「四法」は
1、戒めをさとる
2、精神統一をさとる
3、智慧をさとる
4、解脱をさとる
と出てきます。
漢訳では、普賢菩薩が「ブッダ入滅後」と聞いているので、大般涅槃経を参考にしたのかもしれないですね!
ちなみにサンスクリット語訳では、「完全なさとりに到達した阿羅漢の如来は、」
と出てきてブッダの入滅後とはでていないです。
この普賢菩薩さんのお経で、初めて女性も法華経を得ることが説かれたみたいで、普賢菩薩さんは多くの女性から信仰されてるみたいだね!
普賢菩薩は法華経を受持する者たちに陀羅尼を伝えるとブッダに伝えます。
《漢訳ひらがなよみの陀羅尼》
あたんだい・たんだはだい・たんだはて・らんだくしゃれ・たんだしゅだれ・しゅだれ・しゅだらはち・ぼつだはせんね・さるばだらに・あばたじ・さるばばしゃ・あばたじ・しゅあばたに。そうぎゃはびしゃに・そうぎゃね・きゃだに・あそうぎ・そうぎゃはぎゃだい・てれあだそうぎゃとりゃ・あらて・はらて・さるばそうぎゃ・さんまぢ・きゃらんだい・さるばだるま・しゅはりせつて・さるばさった・るだきょうしゃりゃ・あとぎゃだい・しんなびきりだいて
《陀羅尼の音訳と訳語 *参考程度》
あたんだい(無我)・たんだはだい(我除)・たんだはて(方便)・らんだくしゃれ(賨仁和除)・たんだしゅだれ(甚柔軟)・しゅだれ(柔弱)・しゅだらはち(句見)・ぼつだはせんね(諸仏回)・さるばだらにあばたじ(諸総持)・さるばばしゃあばたじ(衆諸説行)・しゅあばたに(蓋廻転)。そうぎゃはびしゃに(尽集会)・そうぎゃねきゃだに(衆趣除)・あそうぎ(無央数)・そうぎゃはぎゃだい(計諸句)・てれあだそうぎゃとりゃ(世)・あらてはらて(三世数等)・さるばそうぎゃさんまぢきゃらんだい(有為越)・さるばだるましゅりはせつて(諸法学)・さるばさったるだきょうしゃりゃあとぎゃだい(衆生音暁)・しんなびきりだいて(獅子娯楽)
《サンスクリット語の陀羅尼》
アダンデー、ダンダ=パティ、ダンダ=アーヴァルタニ、ダンダ=クシャラ、ダンダ=スダーリー、スダーリー、スーダラ=パティ、ブッダ=パシュヤネー、サルヴァ=ダーラニ、アヴァルタニ、サンヴァルタニ、サンガ=パリークシテー、サンガ=ニルガータニ、ダルマ=パリークシテ、サルヴァ=サットヴァ=ルターカウシャルヤ=アヌガテー、シンハ=ヴィクリーディテー、アヌヴァルテー、ヴァルタニ、ヴァルターリ、スヴァーハー
■無我なる方便は甚柔軟にして、諸仏廻向・陀羅尼廻向は衆行に廻転す。三世等しく有為を超え、獅子の遊ぶが如し。
陀羅尼の概略:大角修先生
陀羅尼(だらに)は「ダラーニー」で、
「保持する」という意味。
語句の短いのを、真言(しんごん)「マントラ」ともいう。
陀羅尼呪(だらにしゅ)の呪は秘密の意味で、
陀羅尼そのものが呪文で「秘密の言葉」と解説されています。
菩薩の道を行くものが、この陀羅尼を聞けば、普賢菩薩の神通力をしるでしょう。
普賢菩薩はブッダに伝えます。
わたしは神通力をもって、法華経を守護します。
ブッダは普賢菩薩を讃えました。
ブッダが普賢菩薩観発品を説いたら、
求法者たちは陀羅尼を得て普賢菩薩の道を得ました。
ブッダが妙法蓮華経を説くと、
サーリープッタら声聞や、天・龍・人・非人ら一切のものが大いに歓喜して、
礼拝して、
霊鷲山の集会から去っていきました。
《普賢菩薩勧発品第二十八 おわり》
法華経 完
サンスクリット語訳では、
この普賢菩薩品は二十六章になり、
最後も「幾千万億回も回転する」という記憶力を得ました。
でおわります。
ざっくりだけど、法華経の内容が理解できたね!


法華経の感想
■法華経全体の感想
書かれている内容は、ちがう宗派(小乗仏教)の批判からはじまり、
「いままでの教え」とは違って(方便)、「新しくてより良い教え」を伝えている内容、
それが法華経で、受持して、広めなさい。
という内容だね。
①ブッダの教え「縁起」について
この法華経でも、「ブッダのさとりは深遠で見えづらい」とでてくるんだけど、
方便品第二の「十如是」の教えも、譬喩品第三の「苦諦」の教えも、
縁起でいう「因縁果」「因縁生起」の
”生起”する意味合いしか、
でてきていないと感じたよ。
法華経を受持しなさい、広めなさい、
とたくさんでてくる表現も”生起させていく”と受け取ったよ。
たくさん注釈や解説書も作られたお経なのに、
教えだけが煩雑になって、やっぱり生起しているとも感じたかな。
原始仏典の第一経「梵網経」では、
ブッダ自身も「ブッダのさとりは深遠で見えづらい」と言っているんだけど、
「これらの六十二の見解(六師外道のいろんな見解)はすべて、六つの感覚器官に接触して感受するのである。そして感受を縁として渇愛が生まれて、渇愛がさらに固執になり、固執を縁として生存が生じ、生存を縁として生まれることが生じ、老いることと死ぬこと、悲しみ嘆きと苦しみと憂いと悩みが生じる。
この六つの触処の原因と消滅と楽しみと過患と離脱とを如実に知れば、六十二の見解よりすぐれていることを知る。」
原始仏典のブッダの教えでは、「生起していき」、「消滅していく」真理が見えづらいと言っているから。
「六つの触処の原因と消滅と楽しみと過患と離脱とを如実に知れば、」
いいってことが、法華経には書かれていないと感じたよ。
それを知るためには
四諦(したい)の理解が必要ってことになるね!
「安楽行品第十四」の四安楽行(しあんらくぎょう)と
「大念処経」の身受心法(しんじゅしんほう)の違いも見比べて、
「消滅の真理」を考察すると、
ブッダの深遠な教えの理解が深くなると思うので参考にしてくださいね!
②一切衆生悉有仏性について
法華経はみんなが救われる教えと解説されているのをよくみたけど、
原始仏典でよくでてくる「生きとし生けるもの」と感じました。
ということは、
やはり、
③法華経の教えすべてについて
法華経にでてくる、
方便の教えも、未来みんながほとけになる教えも、一仏乗などすべて、
根底に「慈悲喜捨の精神」がある。
のかなと感じました。
観音経が「慈悲の象徴」みたいですごい素敵だからだね!
最後に、
漢訳だけで理解すると偏った内容になるから、サンスクリット語訳も見比べた方がいいと思います。
もちろん原始仏典のブッダの教えも見比べて参考にしてみて下さい!
普賢菩薩について
サンスクリット語で、サマンタ=バドラ「あまねく(普く)まされる(賢れる)」の意味で普賢菩薩
元々はブッダの優れた行動の象徴とされ、
「華厳経」(けごんきょう)では「普賢行願賛」の賛美の詩があると解説されています。
日本のお寺では、釈迦三尊として、釈迦如来の脇侍で文殊菩薩とともに祀られるところをよくみます。
梵字は「アン」







