四向四果(しこうしか)を「図解」で説明します。四向四果とは、「四向・しこう」修業する四段階(向かう人)、と「四果・しか」悟りの深さの四段階の境地(果たした人)「四双八輩・しそうはちはい」とも呼ばれています。ブッタ滅後にさとりの修習に応じて四段階に整備され、「それに向かう人」「それを果たした人」の八種に分類された思想です。


四向四果(しこうしか)
「四向・しこう」修業する四段階(向かう人)
「四果・しか」悟りの深さの四段階の境地(果たした人)
「四双八輩・しそうはちはい」とも呼ばれています。
ブッタ滅後にさとりの修習に応じて四段階に整備され、
「それに向かう人」「それを果たした人」の八種に分類された思想です。
4、阿羅漢果(あらかんか)
- 「究極のさとりへ到達した人、供養されるべき人」(無学・むがく)
- 「五上分結、五下分結を断じた人」
- 「煩悩を滅した心解脱(しんげだつ)、四諦(したい)をみて解脱した慧解脱(えげだつ)、両方の倶分解脱(ぐぶんげだつ)した人」
- 「漏尽智(ろじんち)煩悩を滅した人」
- 「応供・おうぐ」とも呼ばれています。
それに向かう人は「阿羅漢向・あらかんこう」です。
「五上分結・ごじょうぶんけつ」
色界と無色界に人を結びつけて
解脱させない
上位の束縛のこと。
1、色貪(しきとん)
2、無色貪(むしきとん)
3、掉挙(じょうこ)
4、慢(まん)
5、無明(むみょう)
「五下分結・ごげぶんけつ」
三界(欲界)
に人を結びつける5つの束縛のこと
1、有身見(うしんけん)
2、疑(ぎ)
3、戒禁取(かいごんしゅ)
4、貪欲(とんよく)
5、瞋恚(しんに)
(参考:「図解」22.「五上分結」三界に人を結びつける束縛)
3、不還果(ふかんか)
- 「再びこの世界に戻ることなく、天界でさとりの境地に到達する人」
- 五下分結を滅ぼし化生者(かせいしゃ)となり色界の浄居天(じょういてん)となり、滅後、涅槃に至る人です。
- 「阿那含・あなごん」とも呼ばれています。
それに向かう人は「不還向・ふかんこう」です。
生き物の生まれ方の四種類
1、胎生・・・おなかに宿り生まれてくる
2、卵生・・・たまごから生まれてくる
3、湿生・・・苔など湿気からうまれてくる
4、化生・・・何もない所から忽然(こつぜん)として天界や地獄に生まれてくる。
2、一来果 (いちらいか)
- 「天界と人間界とを一度だけ転生して、さとりの境地に達する人」
- 三結を滅ぼし貪欲、瞋恚薄い人
- 「斯陀含・しだごん」とも呼ばれています。
それに向かう人は「一来向・いちらいこう」です。
1、預流果(よるか)
流果(るか)は「さとりの流れに到達する」意味です。
- 「この境地に到れば、それ以前の俗世の世界に退堕(たいだ)することなく、人間界と天界を7回転生している間に修業が進み、さとりの境地に到達する人」
- 「極七返有・ごくしちぽんぬ」「極七返生・ごくしちぽんしょう」ともよばれます。
預流果(よるか)は三結(有身見・疑・戒禁取)を完全に断滅した人です。
「三結・さんけつ」は「五下分結・ごげぶんけつ」
の3つの束縛のこと
1、有身見(うしんけん)
2、疑(ぎ)
3、戒禁取(かいごんしゅ)
4、貪欲(とんよく)
5、瞋恚(しんに)
「須陀含・しゅだおん」とも呼ばれています。
それに向かう人は「預流向・よるこう」です。
『四諦』が大事なのがだんだんわかってきたかな?また語るぞ!ニヤリ!
パーリ上座部での倶分解脱(ぐぶんげだつ)
信・・・「随信行・ずいしんぎょう」信によって解脱した、預流果から阿羅漢果を「心解脱・しんげだつ」した人
慧・・・「随法行・ずいほうぎょう」智慧で真理の洞察に到達した、預流果から阿羅漢向を「見到・けんとう」といい阿羅漢果までいくと「慧解脱・えげだつ」した人
定・・・「身証・しんしょう(身をもって禅を修して涅槃を体現するもの)」 無色界の定(聖道)を修して阿羅漢向の7段階に入る人(身証)
無色界の定で阿羅漢向になり、さらに無色界の定で阿羅漢果になると両方合わせているので「倶分解脱・ぐぶんげだつ」した人
「図解」6.瞑想の世界の三界に対応した天の神々 で確認してみてね!
1、マンガで楽しんでから、お経はこんなことが書かれているのかを知ってね!
2、それから、お経をほぐして読みやすくしているのもあるからお経の雰囲気つかんでね!
3、そして、お経の中にブッダの教えが出てくるので、ひとつひとつ「図解」と照らし合わして教えの理解を深めてね!
(参考:「図解」ブッダの教えもくじはこちら)
原始仏典のブッダの教えは2000年以上引き継がれていて、いまの日本の仏教でも教えられている内容もすべてが繋がっていきますからね!ブッダ自身も言う通り、深遠(しんえん)でわかりづらいかもしれないですね!(参考:マンガ「ブッダの成道」)
ブッタの十の名称《仏の十号》
①威徳ある人、至福をもつ人、神聖な人の意味の世尊と呼ばれ、
②修業完成者でほかの人から供養されるに値する人の阿羅漢であり、
③正しく覚った正真の覚者(サンマサンブッタ三みゃく三仏陀)、正遍知とも正等覚とも呼ばれる者であり、
④智慧の明と修業の実践の行の具足完備した明行足と呼ばれる者であり、
⑤完全に仏の悟りの世界に逝く善逝と呼ばれるよく逝ける者であり、
⑥世間を見抜いて悟りを教示できる世間解とよばれ、
⑦この上ない最高境地を体得した人の無上なる存在であり、
⑧仏性をそなえるすべての人間の調練者である調御丈夫とよばれ、
⑨天人と人とすべての生き物の教導の師であり、
⑩仏のブッダで真理を覚った覚者であります。