この「大日経」(だいにちきょう)属累品第三十一(ぞくるいほん)は、角川文庫「全品現代語訳 大日経」著者:大角修先生の本を主に参考にして、ほぐし読みにしました。
前回、大日如来は、「秘密真言を持する法」を説かれました!
今回で、「大日経」の最終話になります!
![秘密真言を持する「大日経」](https://buddha.pink/wp-content/uploads/2021/06/h187-320x180.jpg)
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属累品第三十一(ぞくるいほん)「大日経」最終話
属累品第三十一(ぞくるいほん)
《大日如来は集会の人々に告げます。》
大日如来は、一切の衆会(集会の人々)に告げました。
汝ら、今まさに放逸(ほういつ・怠惰なこと)であってはいけません。
この法門にて、もし本性を知らないのなら、この法を授与してはなりません。
だたし、
《法を授与してよい者》
我が弟子で、ふさわしい者は除く。
吉祥の種族(太陽神スーリヤの一族)に生まれ、
勝れた修行を求め、
常に恩徳を念じ、
法の伝授を求める心を生じ、
聞法に歓喜し、
顔つきや表情が端厳(たんげん)であれば、
その人を仏の弟子とし、
この法を丁寧に教授しなさい。
顔で決めるんだね・・・。
端厳(たんげん)
姿が整っていて威厳があること。
そのとき、
一切の衆会の者はことごとく慶悦(きょうえつ)を懐き、
聞いたことを一心に奉持して、
種だねの荘厳の具をもって仏を供養しました。
そして、
仏のみ足に稽首(けいしゅ)して、恭敬(くぎょう)し、合掌して
「ただ願わくは、この法教において救世の加持の句を告げ、法の眼をとおして、一切処にあまねく、世間に久住せしめたまえ」
と願いました。
そして大日如来は、加持句の真言を告げました。
尽十方の諸仏に帰依してたてまつる。
一切時に静寂にして擁護を招請す。
仏と法と僧に!
「大日経」完
![](https://buddha.pink/wp-content/uploads/2021/05/addf31fd2db9f5879050f8a1b16a38af.jpg)
![金剛薩埵](https://buddha.pink/wp-content/uploads/2021/05/kongou.jpg)
ねぇ、ぼーさん。最後は「法を授与してよい者」の教えなんだね!
えん坊、ほんとだね。
密教は、きちんと灌頂を受けた信者への教えなんだね!
「実修篇」(じっしゅうへん)第七巻について
大日経はこの後に、実修篇 全五章がありますが、
金剛薩埵以後の伝法者が語っている内容で、
経典というより解説書みたいなので、ほぐし読みは割愛します。
内容は、灌頂の作法や、真言に密印のやり方、念誦の方法など細かく解説されています。
修法に興味がある方は、参考文献を読んでみて下さい。
参考文献↓
「大日経」の観想
ねぇ、ぼーさん!「大日経」の観想きかせてよ!
えん坊、そうだね。
「大日経」の1品にほとんど教えが書かれていると感じたね。
その他の品で説かれている、
マンダラや月輪や阿字観の瞑想、護摩で求める境地も、
「虚空の相にして一切の分別を離れている」
自性は清浄なのを了知して、
「身語意平等の法門」を体現する。
それが密教の教えと理解したよ。
しかし、この後につづく他者が書いた実修篇や、
別の経典の「金剛頂経」では
作法や秘密真言のことが中心に説かれているね。
この大日経の最後でも、授与してよい者を説いているから、
すべての人への慈悲の教えというより、
秘密真言を守る集団の教えって印象を受けたかな。
なぜなら、ブッダの教えと大きく異なると感じることがあるからね!
原始仏典のブッダの教えと大きく異なること
「大日経」の修法では、瞑想をして、
「一切の分別を離れている境地」を目指す教え。
原始仏典のブッダの教えは、
「これが苦です」と悩みの原因である「苦」を明確に定義して、
その「苦」の解決を実修させる教え。
「苦」の教えがあり、「苦」の解決が、原始仏典のブッダの教え
![一切皆苦 四法印「図解」](https://buddha.pink/wp-content/uploads/2018/09/ze19-320x180.jpg)
![一切皆苦 四法印「図解」](https://buddha.pink/wp-content/uploads/2018/09/ze19-320x180.jpg)
![四諦(したい)図解](https://buddha.pink/wp-content/uploads/2018/09/s-ze12-320x180.jpg)
![四諦(したい)図解](https://buddha.pink/wp-content/uploads/2018/09/s-ze12-320x180.jpg)
密教にあって、原始仏典にないと感じた教え
でもね、えん坊。
「大日経」の世出世護摩法品第二十七(せしゅっせごまほうぼん)に
息災法(そくさいほう・罪障を滅し、災厄を遠ざける法)
増益法(ぞうやくほう・幸福を増やす法)
の教えがでているんだ!
ということは、
密教には、願いを叶える力があるんだと思ったよ!
「思考は現実化する」
そんな神秘的な力を引き出す修法なのかもしれないね!
金剛頂経もどんなのか見てみよう!
じゃ、ぼーさん!
美味しいものをたくさん食べるのが叶うような修法をしようよ♪
![護摩えん坊](https://buddha.pink/wp-content/uploads/2021/06/6607af72358c5545478361ab6c74c764.jpg)
![護摩えん坊](https://buddha.pink/wp-content/uploads/2021/06/6607af72358c5545478361ab6c74c764.jpg)
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![「密教」一覧](https://buddha.pink/wp-content/uploads/2021/07/b8b82ddd20eba097f8575085fb298c94-320x180.jpg)
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