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長部経典 第5経 究羅壇頭経 (くらだんずきょう)クータダンタ経 すぐれた祭式で法眼が開くお経

くらだんず経 長部5経
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この長部経典 第5経「くらだんず経」・「クータダンタ経」は、以前に「原始仏典の教えを拾うために」大まかにまとめた内容をほぐし読みに整理しました。

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長部経典 第五経 究羅壇頭経 (くらだんずきょう)

クータダンタ経」バラモンの祭りと真の祭り

《経典のあらすじ》

クータダンタがバラモンの盛大な祭式を計画していて、ブッタに完全な祭式とはなにかを話を聞く経典です。説法の最後にクータダンタの法眼が開かれます。

アーナンダ
アーナンダ
わたくしアーナンダはこう聞きました!

《はじまりの場面》

クータダンタバラモンが盛大な祭典のために、
たくさんの動物が生け贄で用意されていました。

 

《ブッダのうわさを聞いて会いに行く》

クータダンタはブッダの仏の十号の賞賛の噂を聞いて、

さらに、

ブッダは三つの様式と十六の条件を具えた完全な祭式を知っているから
盛大な儀式をする前に教えてもらいに行こうとします。

 

《他のバラモンが会いに行くことを非難する》

クータダンタバラモンが自らブッダに会いに行くことは、
名声が下がるので、ブッダの方から会いに来るべきです。

と伝えますが、

 

クータダンタバラモンはブッダの美徳を伝えて説得します。

 

《ブッダの美徳》

生まれも正しく、
出家をされて、
容姿も端麗で、
戒めを守り、高貴な戒めを保ち、善なる戒めをそなえている、
よい言葉を語り、
欲望と愛欲を滅した方で、
行為の業を説く業論者で、
行為には善悪があり作用を及ぼすと説く行為論者で、
裕福な王族から出家された方で、
遠くの国からも質問をしに来られる方で、
何千という神々によって心から帰依されている方、
明知と行いを具えた方で、
偉大な人物の三十二の特徴をそなえている方で、
丁寧にわかりやすく、適切に話す方で、
仏教徒から尊敬され、
神々と人々から信仰されている方、
ブッダが訪れる町は、人間ならざる悪鬼どもが人々を悩ますことはありません。
無上の明知と実践の完成によって教団をまとめている方、
マガダ国のセニーヤ・ビンビサーラ国王からも帰依されている方、
コーサラ国のパセーナディ国王からも帰依されている方、
ポッカラサーティバラモンとその家族からも帰依されている方、

えん坊
えん坊
この人ポッカラサーティバラモンって、たしか第3経「アンバッタ経」で弟子のアンバッタ青年を蹴っていた人だね・・・。
第3経「アンバッタ経」は←こちら

クータダンタバラモンは他のバラモンを説得してブッダに会います。

 

《ブッダに会う》

クータダンタバラモンはブッダに、

三つの様式十六の条件を具えた完全な祭式を教えてもらえないでしょうか?」

と質問します。

 

ブッダは分かりましたと答え、

昔にいた、マハーヴィジタ王の祭式の話をします。

 

《マハーヴィジタ王の祭式の話》

マハーヴィジタ王は盛大な祭式がしたいと思います。
そして、バラモン宮廷僧に、長く利益と幸福をもたらすような祭式の方法の教示を求めます。

バラモン宮廷僧は街には盗賊や略奪がはびこっているが、
死刑や捕縛で取り除いたらだめですと伝え、

農耕や牧畜に励む者には、
種子や植物を与え、
商業に励むものには資金を与え、
官職に励む者には食料と給料をあたえなさい、
これらのものは仕事に専念し繁栄していくでしょう。

と教示します。

 

ブッダは、さらに細かい内容も話していきます。

 

《四つの同意》

町の王、町の大臣、町の大富豪のバラモン、町の資産家に、
盛大な祭式がしたいと同意をもとめるよう呼びかけなさい。

 

《王の八の条件》

生まれも正しく、
容姿端麗で、
大富豪で、
四軍を持ち、
信仰心があり、
布施をよくし、
充分な知識があり、
賢明で聡明を、

王はそなえている。

 

《バラモン宮廷僧の四つの条件》

生まれが正しく血統が清浄、
三ヴェーダに精通している、
戒めをそなえている、
護摩の柄杓をもつ者のなかで第一か第二の学識ある賢者です。

 

《三つの祭式の様式》

1、準備している時、
2、渡すとき、
3、渡し終わってからの気持ちで、

財産が無くなると後悔してはいけない。

ぼーさん
ぼーさん
この三つの祭式の様式は、布施の心構えと解説されています。

 

《王のもつ十の条件》

生き物を害しない、
盗まない、
愛欲の淫らでない、
嘘をつかない、
中傷しない、
乱暴な言葉使わない、
言葉を飾り立てない、
貪欲な人でない、
悪意が無い、
誤った見解をもたない

のが条件です。

 

《祭式の十六の条件》

祭式に対して批判や疑いをもつ者が16パータンいているが、
祭式の正当さを確信して心に疑いを持たず清らかに行うこと。

ぼーさん
ぼーさん
ピンク色の三つの祭式の様式十六の条件は、最初の質問の「三つの祭式の様式十六の条件を具えた完全な祭式」に対しての回答です。

そして、

 

ブッダの「三つの祭式の様式と十六の条件を具えた完全な祭式」の話が終わります。

 

クータダンタバラモンはブッダの話を聞いてこういいます。

 

《そのバラモン宮廷僧はブッダであった》

ブッダは、「このように聞いた。このようなはずである。」

とは言わずに、

「その時はこうであった。この時はこうであった。」

と話されました。

 

その時のマハーヴィジタ王もしくは、バラモン宮廷僧はブッタではないでしょうか?

ブッダ
ブッダ
はい。その時のバラモン宮廷僧はわたしです。 

 

そして、次にクータダンタバラモンはブッダに上記の祭式より、

 

わずらわしさがなく、
生き物を害する行動の少なく、
大きな果報と利益のある祭式があるでしょうか?

と質問をします。

ブッダはその質問に答えます。

 

施しを与える祭式》

戒めを守っている出家者に対して施しを与えるほうが、祭式よりすぐれている。

なぜなら、

聖者に至る道に入っている者は、このような祭りに近づかないからです。

そこでは鞭を打つことや、首をつかむことが見られるからです。

しかし、

つねに施しを与えるということは、

戒めを守っている出家者にたいして施しを与えるものなので、

聖者に至る道に入っている者は、このような行為に近づくのです。

 

さらにそれ以上に優れていることも伝えていきます。

 

《さらにすぐれたこと

修行者に住居を与えるほうがすぐれている。

ゴータマに帰依するのがすぐれている。

五戒を守るほうがもっとすぐれている。

 

ここから出家者の修行内容が説かれていきます。

 

《それ以上に、戒定慧がすぐれている

・出家して戒律に守られる、

・小中大の戒律

・戒めによる防護

・四禅の実践

・無我の洞察

・意から成る智

・超人的な能力

・神の耳

・他人の心のありさまを知ること

・過去の生存のありさまを思い出して知ること

・死と再生について知ること

・煩悩の汚れの消滅を知ること 

ぼーさん
ぼーさん
この経典の「戒定慧」の説法の内容は、第2経「沙門果経」とほとんど同じ内容になります。

長部経典の13経まで、戒蘊篇(かいうんへん)「大・中・小の戒でまとめた経典」なので教えの内容が似ていますね。

沙門果経
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《クータダンタ帰依する》

その説法を聞いたクーダンタバラモンはブッダに帰依します。

そして、

クーダンタバラモンの祭典の時には生き物を殺さない祭りの実施することをブッダに伝えます。

《順序ある説法》

尊師は順序ある話をします。

布施の話、
戒め、
天上の話、
欲望にまつわる災難、
下劣、
汚れ、
離れることの利益、
苦集滅道を説いた。

《法眼が開く》

すると、あたかも染みひとつない清潔な布に、染料が完全に染まるように、

クータダンタバラモンは、

「およそ生じるものは、いかなるものもすべて滅びるものである」という、

煩悩の塵(ちり)や汚れのない真理を見る目の法眼が生じました。

そのとき、クータダンタバラモンは真理を見て、真理を知り、真理を深く理解して、疑念を払い、疑惑をさり、確信をもち、ブッダの教えのみにより、他に依存しないものとなりました。

ブッダに明日の食事の施しの了承を伺い、ブッダは了承します。

翌日、食事の後、

ブッダは真理の教えの話によって教示し、導き、励まし、喜ばせた。

長部経典 第5経 究羅壇頭経・クータダンタ経 ほぐし読み 完

次第説法(しだいせっぽう)「表解」
「次第説法」(しだいせっぽう)順序ある説法 四諦を理解させる 次第説法(しだいせっぽう)とは、四諦(したい)を受け入れやすくするための順序ある説法です。表にして説明します。布施の話に始まり、次第...

えん坊
えん坊
ぼーさん!お祭りで生き物たちが生け贄にならなくてよかったね!
ぼーさん
ぼーさん
えん坊、ほんとだね!長部経典 第三経 阿摩晝経(あまちゅうきょう)のポッカラサッティ・バラモンの時と同じ、真理を見る目の「法眼」が開いているね。

第4経ではソーナダンダ賢者は自分の立場や名誉など、煩悩の「欲望」を手放すことができてなく「法眼」が開いてなくて、

そして、今回の5経では、クーダンタバラモンにも「法眼」が開いたね。次はどんなんだろうね!楽しみだね!

今回もかなり簡略に記載しています。
本物の原始仏典はもっともっとたくさんの内容が書かれているので、
ぜひ読んでみてください↓楽しくなりますよ!

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