「サーリプッタとモッガラーナ 本当の師を見つけに行く」
このサーリプッタとモッガラーナの本当の師を見つけに行くお話は、
すずき出版「仏教説話大系」1982年出版
著者:山田巌雄代表 仏教説話体系編集委員会
監修:中村元先生・増谷文雄先生
パーリ仏典、漢訳経典、大正大蔵経などたくさんある経典から、
選りすぐられた仏教に関する説話の内容を参考にして、
マンガとほぐし読みにしています。




マンガ仏教「説話③」
「サーリプッタとモッガラーナ 本当の師を見つけに行く」
出家して初めての師匠についた二人でしたが、
《サーリプッタとモッガラーナの出家》はこちら↓

《サーリプッタとモッガラーナ師を探しに旅に出る》
サンジャヤに見切りをつけた二人は、
別々にわかれて本当の師を見つけにインド中を旅に出ることにしました。
学問を積んだ修行者やバラモンの噂を聞けば、
たとえどこであろうとも出かけていき教えを聞きに行きました。
しかし、
二人が聞きたい質問には誰も答えることができませんでした。
逆に二人は質問されればすべて答えることができました。
こうして二人はインド中を探しますが、
見つからないまま自分たちの村に帰ってきました。
《サーリプッタとアッサジの出会い》
ちょうどこのころ、
ブッダは各地で教えを説きながら、
ラージャガハに到達し竹林精舎に滞在していました。
そして、ブッダの最初の五人弟子のなかのひとり、
アッサジが街にでて托鉢をしていました。
ちょうどその時、
サーリプッタは修行者の集まりに向かうところでした。
サーリプッタは偶然見かけた、
アッサジの素晴らしい托鉢の修行の様子をみて大変感動しました。
サーリプッタは、礼儀をわきまえて彼の托鉢を終えるのを待って、
アッサジに質問しました。
肌の色も澄んでいてとても美しく、
体も気持ちもすべて穏やかに見えます。
あなたさまはどなたの下で出家なされ、
どのような教えを信じておられるのでしょうか?
どうか私に教えてください。
キラキラ。
アッサジはブッダのもとで修業をしていることを伝えますが、
自分がまだ出家して間もない新米の僧であることを省みて、
謙虚に思い直し、まだ尊い師匠の説かれた教えを、
十分にくわしく説くことができませんと返答を辞退します。
サーリプッタは、ほんの少しでもいいから教えてください!
そう言いつたえて、
想いをうたにしてアッサジに唱えます。
たとえすこしの教えでも
真理の言葉がほしいのです
真理をもとめるわたくしは
多くをきくのはのぞみません
それにこたえてアッサジは師の教えの最初の一行だけをつげました。
するとサーリプッタは聖者の最初の境地の預流果(よるか)の段階の悟りを得ました。
アッサジがさらにうたで答えます。
すべてものには原因が
あってそのため生起して
すべてのものには原因が
あってそのため消滅す
世尊はその因 解き明かす
すっかり真理の悟りをえたことで喜びいっぱいのサーリプッタは、
友人のモッガラーナを連れてきて必ず世尊、ブッダのもとにまいりますと
約束をしました。
***「サーリプッタとモッガラーナ 本当の師を見つけに行く」おわり***
登場人物のおさらい
《アッサジ》
ブッダの最初の弟子となった、五比丘のうちの一人です。
サンスクリット語ではアシュバジット。
立ち振る舞いが立派なことで知られていると解説されています。


マンガの登場人物の紹介
アージヴィカ教の開祖↓


ジャイナ教の開祖↓

