「中道」(ちゅうどう)をわかりやすく「図解」で説明し、心の在り方も解説しています。中道は偏った両極端ではない中間の道と仏典にでてきます。欲望にふけるべきでも、苦行に熱中でもなく、両者を離れた中庸な精神が中道といわれていますが、この中道の境地は八正道(はっしょうどう)の実践で得られる、「煩悩を滅した状態での偏らない境地」のことです。
ねぇ、ぼーさん!八正道を実践したら得られる、中道ってどんな境地なの?偏らない真ん中のことなの?
えん坊、ほんとだね!八正道の修行の実践で、中道の境地になるみたいだね!どんなのか見てみよう!

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中道(ちゅうどう)をわかりやすく
ブッダが菩提樹で成道して、初転法輪で始めて説法した内容に「四諦・八正道・中道」とよく語られています。原始仏典には中部教典 第26経「聖求経」(しょうぐきょう)に詳しく出てきます。
一般的に
中道(ちゅうどう)とは、偏った両極端ではない中間の道
と解説されています。
欲望にどっぷりふけるべきでも、苦行に熱中するべきでもなく、両者を離れた中道とも解説されてでてきます。
この中道の境地は八正道(はっしょうどう)の実践をすれば得られる境地と書かれています。
それでは、八正道の実践で得られる境地を見てみましょう。
煩悩をなくして得られる境地が「中道」、その実践が「八正道」
《八正道・はっしょうどう》
正見(しょうけん)・四諦の理解洞察(知見)
正思惟(しょうしゆい)・正しい想い
正語(しょうご)・正しい言葉
正業(しょうごう)・正しい行い
正命(しょうみょう)・規則正しい生活
正精進(しょうしょうじん)・正しい想いの実践
正念(しょうねん)・観察する瞑想の実践
正定(しょうじょう)・精神統一する瞑想の実践
※上記は、簡単な説明になります。
八正道とは、正なる道の正道や、八聖道(はっせいどう)とも表現されます。
七科三十七道品(しちかさんじゅうしちどうほん)と同じく、
「苦」の滅を実現する真理の実践方法で、煩悩をなくす修行です。
八正道を修得すると、煩悩がなくなり、「苦」の四つの真理「苦・集・滅・道」の「四諦」(したい)が知見(ちけん)できるようになります。
八正道で「苦を理解」して、煩悩がなくなれば、
その境地は、「中道」の境地もえられることになります。
私が成道するときに、煩悩を滅して、知見を得ました。その知見で四諦を見たのです。それで、再生はなくなったと知りました。
八正道の実践で四諦が洞察できる、正見が得れますよ。八正道を理解すれば中道の境地も理解できますよ。
八正道の説明は、言葉だけで表現されている解説がとても多いですが、原始仏典を読んでブッダの教えの理解を深めると、八正道は「煩悩をなくす修行」でとても大事な修行だとわかります! 是非、図解の八正道も見て下さい!

八正道を修得すると、
「苦」の四つの真理「四諦」が知見でき、
「苦」の煩悩も滅している状態で、
「中道」が得られることになります。
次に、経典にでてくる「中道」を見てみましょう。
経典に出てくる中道(ちゅうどう)の境地
中部教典 第三経「法嗣経」(ほうしきょう)
「貪欲・怒りをすてるために「中道」の実践がある。
中道の実践は、真理をみるための眼をつくり、真理を知るための智を作り、寂静・通智・正覚・涅槃に導くのです。それが聖なる八支の道です。」
とでてきます。
中部教典 第一三九経「無諍分別論」(むしょうふんべつろん)
このお経は「こころが乱れない生き方」と題されていまして、欲望にふけるべきでも、自らを傷つける苦行に熱中するべきでもなく、これら両極端に近づくことのない中間の道が如来によって、正しくさとられた道で涅槃に導く、八正道のことであると出てきます。
そして、この中間の道は真理をみるための眼をつくり、真理を知るための智を作り、苦しみも愁いも、ひどい苦悩もともなわない道で「こころが乱れない」とでてきます。
このお経の最後でブッダは「こころが乱れる生き方と、こころが乱れない生き方を知ろう。そしてこころが乱れない生き方を歩もう」といっています。
どちらのお経も八正道で、煩悩を捨てることが大切だと言っています。
心の在り方での中道
こころには一つの気持ちしか入りません。
むさぼる気持ち、怒りの気持ち、悪い煩悩の感情が一度こころの中で生起してしまうと、十二支縁起のこころとからだの縁起の連鎖で、三毒が執着の渇愛になり増大して、悪い気持ちの三毒が自分のこころを占領して、自分自身を飲み込んでしまいます。
経典の中には、執着を手放す、捨て去る、とよく表現されて出てきます。
こころの中の悪い煩悩の怒りや貪りの気持ちを、五禅支で取り除いていく色界の四禅の瞑想の修行。
悪いこころが芽生えたら悪いこころをとめて、善いこころを広げていく七科三十七道品の四正断の実践も教えられています。
こころの在り方を、悪い煩悩のこころから、善いこころに置き換えることが経典には一貫して書かれています。
ブッダの教えはすべて、煩悩を解き放つことが説かれています。
ブッダの教えはすべて、煩悩をなくしていくことが説かれています。
ブッダの教えはすべて、煩悩を吹き消すことが説かれています。
「こころの中の悪い煩悩を、滅していくことが大事なことだと」
生涯かけて伝えているのが、
ブッダの教えです。
一切皆苦の「苦」の世界で、有ることが難しい、「無常」の世界に生きているので、ありがたい「感謝」の気持ちをこころに保つようにすればいいのだと解釈できるようになりました。
しかし、ブッダの教えの最終目的は、煩悩を滅して、再生しない阿羅漢の境地「想受滅」ですので、まだまだ実践も学んでいきたいと思います!



