この法華経(ほけきょう)「分別功徳品第十七」(ふんべつくどくほん)ほぐし読みは、「大乗仏教」の妙法蓮華経を、大まかにほぐし読みに整理しました。
第十七章「分別功徳品第十七」(ふんべつくどくほん)
前回、「如来寿量品第十六」では、ブッダは【良医治子の譬喩】(ろういじしのひゆ)を伝えて、自我偈(じがげ)を説きました。
※法華経の核心部分と言われています。『自我偈』(じがげ)もほぐしているのでお勧めです。↓

第17章「分別功徳品第十七」(ふんべつくどくほん)

《人々はブッダの寿命が長遠だと聞いて、大きな恩恵をうけました。》
如来寿量は、ブッダの寿命はとても長い意味です。
そして、ブッダは弥勒菩薩に告げます。
わたしの寿命が長いことを聞いた衆生は、
「無生法忍」(むしょうほうにん)の生起する物事の空を知る智慧の、生死を超えて永遠の真理と合一する境地と、
「門持陀羅尼門」(もんじだらにもん)の仏の言葉を保持することと、
「楽説無碍弁財」(ぎょうせつむげべんざい)の相手の求めに応じて自在に法を説くことと、
「旋陀羅尼」(せんだらに)の聖なる言葉をめぐらせることを得ました。
陀羅尼(だらに)とは、教えを保持する力で「総持」(そうじ)と訳され、善法でもって悪法を起きないようにする力用や、神秘な威力をもつ唱句です。
この十七品の「門持陀羅尼」の解説は
漢訳では、
「教えを保って失忘しない」
サンスクリット語では、ダラーニーで「念力」と訳され、
「煩悩を分離させる精神力」
と解説されています。


そして、
ブッダは弥勒菩薩に告げます。
仏の寿命の長遠なことを聞いて、たとえ一念の信解でも生じれば、
その人の功徳は限りない。
智慧波羅蜜を除いた、
五波羅蜜の
壇波羅蜜(だんはらみつ)・布施波羅蜜
尸波羅蜜(しはらみつ)・持戒波羅蜜
羼堤波羅蜜(せんだいはらみつ)・忍辱波羅蜜
毘梨耶波羅蜜(びりやはらみつ)・精進波羅蜜
禅波羅蜜(ぜんはらみつ)・禅定波羅蜜
を完全にすることの何百、何千、何億もすごいのです。
法華経を聞き、自ら書写し、人にも書写させる功徳は大きい、
法華経の経塚などで供養しなさい。
その功徳は無量無辺で、一切種智が生じます。
塔を建てる必要も、四事の布施(食物・衣服・臥具・湯薬)も必要なく、
七宝の仏舎利塔に等しいのです。
法華経を受持して、六波羅蜜をすれば、もっともすぐれた無量無辺です。
《分別功徳品第十七品 おわり》つづく





