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長部教典 第22経 大念処経(だいねんじょきょう)①
「身受心法」(しんじゅしんほう) 身体の観察
長部経典 第22経「大念処経」(だいねんじゅきょう)はすべてが瞑想の教えになります。頭の中で身受心法を実修しているイメージで読み進めることをおすすめします。長いお経ですので、段落で分けて紹介します。ピンク色の文字は図解で解説がありますので、図解↓と連動して読んでみて下さい。
「ブッダの宣言」
ブッダが修行僧たちに語りかけます。
修行僧たちよ、生き物たちを清浄にするために、憂いと悲しみを乗り超えるために、苦痛を消滅させるために、正しい道を修得するために、涅槃の実現のために、ただ一つの道があります。それは四念処の瞑想の身受心法です。
四念処の瞑想の身受心法とは、
身体について身体を観察し、熱心に正しく自覚して、よく気を付けて、この世における貪欲や憂いを除去していくのです。
感受に関して感受を観察し、熱心に正しく自覚して、よく気を付けて、この世における貪欲や憂いを除去していくのです。
心について心を観察し、熱心に正しく自覚して、よく気を付けて、この世における貪欲や憂いを除去していくのです。
もろもろの事象について、もろもろの事象を観察し、熱心に正しく自覚して、よく気を付けて、この世における貪欲や憂いを除去していくのです。
《①身体について身体を観察する》
それでは、どのようにして身体について身体を観察するのか?
修行僧は、森に行き、樹の下や空き小屋などで、足を組んで坐り、姿勢をまっすぐ正して、念ずることを目の前に据えて坐るのです。
《入息・出息の方法》
そして、念をそなえながら息を吸い、念をそなえながら息を吐く。
長く息を吸えば「わたしは長く息を吸っている」と知り、
長く息を吐けば「わたしは長く息を吐いている」と知り、
また、短く息を吸えば「わたしは短く息を吸っている」と知り、
短く息を吐けば「私は短く息を吐いている」と知るのです。
「全身を意識して感受して、わたしは息を吸おう」とおもって実修し、また「全身を意識して感受して、私は息を吐こう」とおもって実修するのです。
また、「身体の活動、なにかを作り出そうとする「行」の意識を静めて、わたしは息を吸おう」とおもって実修し、
「身体の活動、なにかを作り出そうとする「行」の意識を静めて、わたしは息を吐こう」と実修するのです。
それはまるで、熟練したろくろ師が、ろくろのひもを長く引っ張れば「わたしは長く引いている」と知り、短く引っ張れば、「わたしは短く引いている」と知るように。
これと同じように呼吸をするのです。
このように、内に、自分自身の身体について身体を観察し、また、客観的に自分の身体について身体を観察し、あるいは内と外、自分自身の身体について身体を観察していくのです。
また、身体の中で生起してくる現象を観察し、また、身体の中で衰滅する現象を観察し、また、身体の中で生起し衰滅していく現象を観察していくのです。そして、観察して知った分だけ、観察して記憶した分だけ、「ただ身体のみが存在する」という念(おも)いが、自分自身には現れてくるのです。
そして、身体の活動の「行」を鎮めつつわたしは出息をしていきます。
そうすると、なにかに依存するということがなく、この世のなかで、なにものにも執着しないのです。修行僧はこのようにして身体について身体を観察するのです。
大念処経ほぐし読み①はここまで 「身受心法 身体の観察 呼吸の観察」
上記のように入息出息を行うものは、順を追って思考していきます。
《中部第10経 及川真介先生の解説を参考にして、思考の順番を解説すると》
1、入息出息は何に依存しているのか?
2、それは、業によって生じる身体に依存している。
3、身体は六処の感覚器官があり依存している。
4、六処の感覚器官の接触の対象が煩悩になり依存している。
5、依存する煩悩・渇愛の原因は、十二縁起支の縁によって生起する法にすぎない。
6、生起した煩悩・渇愛が(瞑想で)心から滅してなくなる、衰滅の法を観察する。
7、諸行無常・諸法無我・一切皆苦を念ずる観察を増大させる。
8、「ただ身体のみが存在する」とありのままの自分に気付く。
9、渇愛・邪見に依存しなくなる。
入出息の瞑想で集中しながら煩悩を取り除いていき、
無常・無我・苦を観察していくことですね。
呼吸を観察しながら、自分の煩悩に気づいていき、煩悩を手放して、
そして、無常・無我・苦を「念じそなえて」実修する瞑想になりますね!
- ブッダの最初の宣言が重要なキーワード!
- 涅槃の実現の修行方法
煩悩を消すことを想起しながら、自分自身を観察する瞑想になります。 - 身受心法の観察を深めて、
この世における貪欲や憂いを除去していく瞑想になります。
*「行」のイメージは、五蘊と十二縁起を読むといいですよ!
この大念処経の四念処の身受心法は欲界を離れて、色界の瞑想に行く方法だからとても大事だね!