この長部経典 第4経「しゅとく経」・「ソーナダンダ経」のほぐし読みは、以前に「原始仏典の教えを拾うために」大まかにまとめた内容をほぐし読みに整理しました。
目次 クリックでジャンプ
長部経典 第四経 種徳経(しゅとくきょう)
「ソーナダンダ経」真のバラモン
《経典のあらすじ》
チャンパーに住んでいるバラモン賢者ソーナダンダがブッタの説法を聞いてブッダに帰依するが、他のバラモンもいる立場上から、権威を失いたくないので表面上は取り繕う姿を見せる。そんなソーナダンダには法眼が開かれていないのがわかる経典です。
《ソーナダンダがブッダに会いに行く》
バラモン賢者のソーナダンダが、
ブッダの仏の十号のうわさを聞いて、
ブッダに会いに行こうとする場面から始まります。
他のバラモンの者は、
ソーナダンダ自らブッダに会いに行くのは、
ソーナダンダの名声がおちて、
逆にブッダの名声が上がるので相応しくないと否定的な意見をいいます。
しかし、
ソーナダンダはブッダの評判と名声を伝え、
他のバラモン達の否定を押しのけてブッダに会いに行きます。
《ソーナダンダがブッダに会う》
ソーナンダはブッダに会いますが、
もし私がブッダに質問して、
ブッダからそうではないと言われたら、
他のバラモンから軽蔑されるであろう。
と思いこみ心配が生じます。
「四顛倒(してんどう)」は←こちら
ブッダはソーナダンダの悩みを察して、
先にヴェーダに関してソーナダンダに質問することにしました。
《ブッダがソーナダンダに質問する》
ブッダは質問します。
「わたしはバラモンだと、正しく語ることを教えてください。」
ソーダナンダは答えます。
「バラモンとは五つの資質をそなえた者をいいます。」
1、母父の生まれが正しく、
2、三ヴェーダに通じ、
3、容姿端麗で、
4、戒めを守り、
5、学識がある
と五つの資質をブッダに答えます。
そのあとのブッダとの会話のやりとりで、
ソーナダンダはバラモンの五つの資質のうちの
「容姿・ヴェーダ・生まれ」の三つを除くことが出来ると言い、
「智慧と戒め」の二つはなくてはならない資質だと、
ブッダに話します。
他のバラモンがソーダナンダの会話を止めようとしますが、
ソーナダンダとブッダの「智慧と戒め」の会話は続きます。
そして次に、
ブッダが「智慧と戒め」の話を説法していきます。
ここから説法が始まります。
《ブッダの説法》
◇戒めとはなにか、智慧とはなにか
出家して戒律によって防護し自制し、
感覚器官の門を守り、
気を付けて、
正しく自覚して、
満足ですごす。
そして次に、戒律の話をします。
◇小・中・大の戒め
そして次に、四禅の瞑想の話をします。
◇四禅の瞑想
・智慧、
・超人的能力、
・神の耳、
・他心智、
・宿住智、
・死生通、
・滅尽智
長部経典の13経まで、戒蘊篇(かいうんへん)「大・中・小の戒でまとめた経典」なので教えの内容が似ていますね。
《参考》沙門果経(しゃもんかきょう)
説法を聞いたソーダナンダはブッダに帰依します。
《ソーナダンダブッダに帰依するが、》
しかし、
ソーナダンダはバラモンとしての自分の立場があるので、
他のバラモンの前ではブッダに丁寧な礼拝はできなので、
簡略な礼拝で了承してほしいと伝えます。
そして、
経典の再度に書かれているのが、
《経典の最後》
ブッダは真理の教えの話をして、
教示し、導き、励まし、喜ばせてから、
座を立ち、去って行かれた。
ソーナダンダ賢者は自分の立場や名誉など、煩悩の「欲望」を手放すことができてないのがわかります。
この経典を見て改めて感じたことに、
ブッダは人を変えようとはしていない姿勢、なのが読み取れました。
今回もかなり簡略に記載しています。
本物の原始仏典はもっともっとたくさんの内容が書かれているので、
ぜひ読んでみてください↓楽しくなりますよ!