マンガ「説話集」ナンダ・難陀(なんだ)はブッダの異母兄弟③は、
鈴木出版「仏教説話大系」1982年出版 監修:中村元先生・増谷文雄先生を参考にしてマンガとほぐし読みにしています。
《前回↓、ブッダはナンダをいきなり出家させました↓》

いきなりナンダを出家させた釈尊は、

ナンダへの期待をうたで唱えました。
いつかわたしはこの森で
粗末な衣を身に着けて
人の施す食を受け
欲を断ち切り日を過ごす
ナンダの姿をみられよか
それを聞いてもなお、
ナンダは新妻のことを想い、
嘆きの心で晴れない様子で過ごしていました。
《ブッダがナンダをヒマラヤに連れて行きます。》
そんなナンダをみて、釈尊は彼に尋ねます。
ナンダよ、お前はヒマラヤにいったことがありますか?
まだ行ったことはありません。
ではわたしと一緒に行ってみようではないか。
そういうと釈尊は、
ナンダの腕をとって神通力で空高く昇るとヒマラヤへ向かいました。


その途中で釈尊は、
切り株に茫然として腰かけている雌ザルを指さしました。
あの雌ザルがみえますか?
はい、よくみえます。
しっかりと見ておきなさい。


釈尊は次に、ふたたびナンダに尋ねます。
お前は三十三天を見たことがありますか?
まだ見たことがありません。
それならば、と
《ブッダはナンダに天女を見せます。》
釈尊はナンダをつれて三十三天に行き、
帝釈天の座である黄色い石の座に腰を下ろしたのでした。
すると、
これを見た帝釈天が、多くの神々と、多くの侍女と、
細くて美しい足をした五百人の天女たちを引き連れて、
ともに釈尊に礼拝して、そばに座しました。
釈尊はナンダに尋ねます。
ナンダよ、あの美しい天女たちをみましたか?
はい、見ました。


お前の妻となるはずであった姫とこの天女たちと、
どちらが美しいと思いますか?
世尊よ、まるで比べ物になりません。
さきほどみた雌ザルとあの姫との違いほど、
姫とこの天女には違いがあります。
サルと比べるなんて、ひどいね・・・。
そして、ナンダは釈尊に尋ねます。
どうしたらあの天女を得ることができるのでしょうか?
ナンダよ、しっかりと修行を積めば、あの天女を得ることができます。
それを聞くや否や、ナンダは
世尊よ、そのことを保証していただくのであれば、
わたしは熱心に修行をいたします。
はやく私をつれて帰ってください。
わかった、ナンダよ。保証しよう
こうして釈尊はナンダをつれて祇園精舎へ帰り、
ナンダはそれ以降、
熱心に修行に励んだのでした。
《修行に励むナンダ》


男って、サル以下だね・・・。
めでたしめでたし。
ではなく修行はつづきます・・・。
うつくしい天女を得たいがために、ナンダは修行に励んでいました。
すると、
そのことを知った長老たちは、
かわるがわるその誤ったナンダの考えを戒めました。
ナンダよ、あなたは三十三天でみた美しい天女を得るために修行に励んでいるというが、それは本当なのか?
本当です💛
なんの迷いもなくきっぱりと答えるナンダに長老たちは驚きました。
驚き越してあきれ果てるよ。
それが本当ならば、たいへんおかしなことですぞ。
煩悩を断つための修行であるのに、
あなたは女性を得るために、
すなわち煩悩のために、
清い修行をしていることになりますぞ。ニヤリ!
こういって彼らは誤りを指摘したのです。
ナンダは自分の過ちに気が付き、
悔い改めることを誓いました。
そして、
さらに熱心に修行を続け、
ようやく悟りを得たのでした。
《ナンダは悟りを得ます。》


ナンダは悟りを得ると、
釈尊の前に進み出ていいました。
わたしは、いつか釈尊がわたしのためにしてくださった保証を取り消していただきとうございます。
ナンダよ。
お前が悟りを得たと同時に、
お前はあの誓いから解き放たれているのです。
こうして、
釈尊は、ナンダのことをこのようにほめたたえたのでした。
「目に見えるすべてのもの、耳に聞こえるすべての音、鼻でかぐにおい、口にする言葉、体に触れるもの、心に思うこと、これら六種のものによって起こる煩悩から己を守ることにおいて、弟子の中でもっとも優れているのはナンダである。」
ナンダはブッダの異母兄弟③終わり 「完」
ぼーさん、ナンダさんはきちんと修行して立派に悟れたんだね!すごいよね!
えん坊、ほんとだね!
ちなみに、ナンダさんは他にも色んなエピソードが、
経典にでてくると書かれています!


ナンダと天女





