「サーリプッタの悟りの境地」
マンガ仏教「説話」
「尊敬されるサーリプッタの徳②」




《前回、サーリプッタの徳①はこちら↓》

《他の者たちがバラモンの悪態を怒る》
サーリプッタを怒らせようと、
石でサーリプッタの頭を打ちつけ、
その報いを受けたバラモンは、
サーリプッタに許しをえたので、
そのお詫びに食事を布施しようとします。
バラモンはそういってサーリプッタの鉢を手に取り、
彼の家に案内して食事を施しました。
それを見ていた周りの人々は、
この出来事に腹を立てました。
そして、人々はこう言いました、
「あの男はわたしたちの尊敬する先生を殴っておきながら、
ずうずうしくもその罪を逃れようとしている。」
さらに、人々はこう言います。
「今ここで彼を殺してやろう。」
こう口々に叫びながら、
棒や石をもってバラモンの家に押しかけました。
《バラモンの家に押しかける》
ちょうどその時、
施しの食事をすませたサーリプッタは腰を上げ、
バラモンの家から帰ろうとして
鉢をバラモンに渡して外に出ようとしました。
バラモンとサーリプッタが一緒にでてきたので、
人々はあわてました。
サーリプッタは言いました。
「おや、皆さんどうされましたか?」
「先生、そのバラモンはあなたを殴りました。ですから我々は彼に当然の報いを与えようとしているのです!」
「そうですか、しかし彼はわたしにすでに許しを願っています。どうぞ皆さんおもどりください。」
そう言ってサーリプッタは人々を帰し、
バラモンにも家に帰るように伝えて、
自分は精舎に戻っていきました。
精舎の修行者達も、
この話を聞いて非常に腹をたててこう言いました
「なんたることだ、あの男がサーリプッタ尊者をなぐっているのに、尊者みずからあの男の家に行き振る舞いを受けようとは。ますますあの男が調子にのってあちらこちらで暴力を振るうようになるに違いない!」
修行者たちが話し合っていますと、
釈尊が近づいてきてかれらをなだめました、
真のバラモンは決して他のものを殴ったりはしない。
まして修行者をなぐるなんて偽のバラモンにちがいない。
なぜなら聖者の境地を得ているものは、
怒りというものをすべてなくしているのだから。
釈尊はそのように話して、
サーリプッタの忍耐強さは悟りを得たものとして当然のことであると説いたのでした。
***尊敬されるサーリプッタの徳*** 完
仏教説話大系について
この尊敬されるサーリプッタの徳のお話は、
すずき出版「仏教説話大系」1982年出版
著者:山田巌雄代表 仏教説話体系編集委員会
監修:中村元先生・増谷文雄先生
パーリ仏典、漢訳経典、大正大蔵経などたくさんある経典から、
選りすぐられた仏教に関する説話の内容を参考にして、
マンガとほぐし読みにしています。
この説話でのブッダの教え
小部経典 法句経(ほっくきょう)第10章「暴力」
2句をピックアップしました。
131句「生きとし生けるものは幸せを求めている。もしも暴力によって生きものを害するならば、その人は自分の幸せをもとめていても、死後には幸せが得れない。」
137句「手むかうことなく罪とがのない人々に害を加えるならば、次のどれかに見舞われるであろう。
1、激しい痛み
2、老衰
3、体の傷害
4、重い病
5、乱心
6、国王からの災い
7、恐ろしい告げ口
8、親族の滅亡
9、財産の損失
10、その人の家が焼ける
そしてこの愚かな者は、身が滅びたのちに地獄に生まれる。」
暴力のもとは怒りなので、怒りの予防法も載せておきます。
「怒り」の予防法
五蓋のひとつ瞋恚(しんに)は怒りのことです。
自分にとって邪魔なものに、意を注ぐと怒りが生起します。
《瞋恚の予防法》
慈しみの心と、こころの解脱をもって正しく意を注ぐと、怒りは捨てられます。

サーリプッタさんは「法の将軍」とも呼ばれてるとてもすごい人なんだよ!
しかし、人間って、噂を耳で聞いたことだけでも怒りが生起してるのがわかるエピソードだね!
3コマ目のバラモンさんの「ごめんさいぃ~」は書き間違いではなく、「ごめんさいぃ~」っていってるんだってね!
このサイト誤字が多いから、見た人はまた誤字だって思っちゃうよね!(笑)


