この「大日経」(だいにちきょう)持明禁戒品第十五(じみょうきんかいぼん)は、角川文庫「全品現代語訳 大日経」著者:大角修先生の本を主に参考にして、ほぐし読みにしました。
前回、大日如来は、もっとも秘密の「8つの密印」を説かれました!↓

目次 クリックでジャンプ
六か月の修行の成果「大日経」持明禁戒品第十五
持明禁戒品第十五(じみょうきんかいぼん)
《初登場・大徳持金剛が質問します。》
「大徳持金剛」(だいとくじこんごう)は大日如来に質問します。
「真言行において菩薩の行を修する者は、いかに戒を持すべきでしょうか?」
なぜかこの品で、金剛薩埵ではなく、「金剛手・大徳持金剛」と呼ばれてでてきます。
なので、ここでは大徳持金剛なのです。
と持明禁戒(じみょうきんかい)について尋ねました。
大日如来は答えます。
明(みょう・真言のこと)によって戒を起こすなら、
戒に安定すること正覚(しょうがく・さとり)のように成就を得ることができるでしょう。
それは世間を利せんとするからです。
疑いの心を生じず、
常に禅定に住して戒の修行を成しなさい。
菩提心と法と、修学の業と、果は和合して一相(いっそう・一如)なのです。
常にとらわれの無い無著(むじゃく)の行を修すれば、
石粒と黄金が等しくなるのです。
時と月を経て真言を誦し、
その数が落叉(らくしゃ・十万)に至るほどになれば、
禁戒を終竟(しゅうきょう)するのです。
そして、
《六か月の修行内容が説かれます。》
「最初の月」に、
金輪の観をするのです。
大因陀羅(だいいんだらに)に住し、金剛印を結ぶのです。
乳を飲んで身体を養い、
行じてひと月になれば、
よく出入の息が調うでしょう。
「第二の月」には、
水輪に坐し、蓮華印を結ぶのです。
醇浄(じゅんじょう)の水を服しなさい。
「第三の月」には、
火輪の観をするのです。
食を求めずに食し、大慧力(だいえとう)の印を、結びなさい。
身・語・意から生じる一切の罪を焼き滅ぼす。
「第四の月」には、
風観の観を行うのです。
常に風である息を服すのです。
転法輪の印を結び、
心を調えて真言を誦するのです。
「第五の月」には、
瑜伽(ゆが・瞑想)に住して金剛水輪の観をするのです。
行する者は、得、不得の愛着を遠離して、
阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい・至高のさとり)と同等になるでしょう。
「さらに一か月」、
風輪と火輪を合わせて、

真言を誦して、
諸々の過患(かげん・諸欲にまつわる災難)を出て、
利、非利を捨てるのです。
これを修する真言の行者を、
梵天、帝釈天、天の神々などは遠方より敬礼して守護するでしょう。
悪い鬼なども、持真言者の光明をみて猛火のごとく走り逃げるでしょう。
この行者は真の仏弟子として、
一切の自在を得て、
魔の敵を調伏(ちょうぶく)すること金剛杵(こんごうしょ)を持す者のごとし、
群生を繞益(にょうやく)すること
観世音菩薩と同じなのです。

観世音菩薩と同じというだけあって、
観音経と表現が似ていますね!
ちなみに、「観音経」は法華経の中の一つの経典です!
六か月を終え、
所願の果を成して、
常に自他に非愍(ひみん)して救護(くご)を成すでしょう。
《持明禁戒品第十五 おわり》 つづく
ぼーさん!「大日経」の戒は、真言の瞑想が中心なんだね!
そして、修行の成果は、みんなの救いと護りだね!
えん坊!ほんとだね!
「常に囚われるな」って、言っているから、
秘密だから、とか、囚われなくていいのかもね!
結局のところは、
生きとし生けるものが幸せになる教え
に共通するね!
つづきも見てみよう!
参考文献↓


