「原始仏典」 ほぐし読み PR

「大日経」曼荼羅の書き方 「入曼荼羅具縁真言品第二の一」(にゅうまんだらぐえんしんごんぼん)ほぐし読み②

マンダラの書き方
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この「大日経」(だいにちきょう)「入曼荼羅具縁真言品第二の一」(にゅうまんだらぐえんしんごんぼん)は、角川文庫「全品現代語訳 大日経」著者:大角修先生の本を主に参考にして、ほぐし読みにしました。

「密教図解①↓」と照らし合わせてみて下さい。

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アーナンダー

密教経典「大日経」は、金剛薩埵が質問して、教主の毘盧遮那仏(大日如来と同じ)が回答していきます。会話の中に、たまに世尊(ブッダ・お釈迦様)の話が登場しますよ。キラキラ

前回、大日如来は「大日経」の大事な教え、「三句の法門」などを説きはじめます。

ほぼ図解のほぐし読み①↓

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「大日経」曼荼羅の書き方 入曼荼羅具縁真言品第二の一 ほぐし読み②

入曼荼羅具縁真言品第二の一(にゅうまんだらぐえんしんごんぼん)

《金剛薩埵は大日如来に大マンダラ王について質問します。》

金剛薩埵(こんごうさった)は大日如来に願います。

金剛薩埵

大悲胎蔵より生じる大曼荼羅王をお説きください。未来の無量の衆生を救護し、安楽ならしめるために。


大日如来は、瞑想のサマーディに入り、
その身体の各部から一切如来をことごとく出現させました。

そして無尽法界で一切の如来と集会してから、元の身体に戻りました。

そして、金剛薩埵に阿闍梨(あじゃり・師)の十六徳を語ります。

大日如来

師匠の十六の徳を伝えましょう。

《阿闍梨の十六徳》

1,菩提心をおこす
2,妙慧があり、
3,慈悲があり、
4,衆芸(しゅげい・多くの芸)を兼ね備え
5,般若波羅蜜を修し
6,三乗(声聞・縁覚・菩薩)に通達し、
7,真言の真実義を解し
8,衆生の心をしり
9,諸仏、諸菩薩を信じ
10,伝教灌頂(でんきょうかんじょう・阿闍梨の位をうける儀式)をうけており
11,曼荼羅の図を解し、
12,性格は柔和で
13,我執を離れ
14,真言行に決定(けつじょう)して揺らがない
15,瑜伽(ゆが・仏と一体になる観法)を究習(くしゅう)し
16,菩薩心において安定していなければなりません。

6.の、三乗はこちらを参考↓

法華経(ほけきょう)にでてくる言葉と意味、用語や数の表現をわかりやすく理解する。「図解②」 https://buddha.pink/buddhism/124/ 法華経に出てくる言葉の意味わかりやすく ...

そして、大日如来は次に、

《大日如来がマンダラのあるべき姿と真言を説く》

曼荼羅(まんだら)の円壇(えんだん)のあるべき姿について説きました。

大日如来

マンダラのあるべき姿を伝えましょう。

まず、

曼荼羅の円壇をつくるにふさわしい場所を選びなさい。

そして、

神の守護と諸仏や導師のもとに地を清め、魔を破った釈迦如来のように、魔を降伏させるのです。

原始仏典の成道のエピソード↓

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真言行道を知らないで煩悩に悩む衆生たちに、この方法を説くのです。

マンダラを作るときは、

この真言をとなえるのです。

大日如来

なうまくさまんだぼだなん

《マンダラの円壇を作るときの真言》

「南麼三曼多勃駄喃・なうまくさまんだぼだなん」
(尽十方の諸仏に帰依してたてまつる)

そして、

真言をとなえながら霊水である香水(こうずい)をまいて地を清めて、

諸仏の姿を観ずるのです。

さらに、

大日如来はマンダラのあるべき姿を説明します。

《マンダラのあるべき姿の参考図》
中台八葉院、第一重マンダラ

①中央に、マハーヴァイローチャナの我、大日如来を観なさい。
白蓮華に坐って、宝冠をつけ、さまざまな色彩の光を周囲に放っているのです。

次に、

四方の如来を観なさい。

②東には、宝頂如来(ほうちょうにょらい)が、日が昇るように座っている。

③南には、開敷華王如来(かいふけおうにょらい)が、さとりの花である覚華(かくげ)を開き、黄金に光を放って悪害を降伏する三昧に坐っている。

④北には、不動の如来である天鼓雷音如来(てんくらいおんにょらい)があり、苦悩を滅する三昧に坐っている。

⑤西には、無量の光明を放つ無量寿如来である阿弥陀如来が坐っている。

これら五如来を観じ、

曼荼羅の中央となる土地を不動明王あるいは、

降三世明王(ごうざんせみょうおう)の真言をもって、

完全に清浄ならしめてから白檀(びゃくだん)をもって曼荼羅を図画するのです。

不動明王の真言「ノウマク・サンマンダ・バザラダン カン」

降三世明王の真言「オン・ニソムバ・バサラウンパッタ」

参考:Wikipediaより

そして、

第一に大日如来、

第二に諸々の救世者(ぐせしゃ)、

第三に虚空蔵の菩薩、

第四に蓮華手の菩薩の観音菩薩、

第五に執金剛(しゅこんごう)、

第六に不動明王など、

香華を献じて諸仏を念じるのです。

それから諸仏に香華を献じて、

「慈悲深き諸仏よ。我らを思い、明日この地に仏子たる諸尊を下したまえ。」

と偈をもって敬白(けいはく・つつしんで申す)し、

「南麼三曼多勃駄喃・なうまくさまんだぼだなん」と,

真言を誦すべし。

真言を持す行者は、

慈悲のこころをおこし、

その夜、西側に身をおいて安らかに眠り、菩提心の清浄において無我を思惟せよ。

プーニャ&えん坊

マンダラを描いて、諸仏を降臨を祈願して、真言を唱えるんだね。

そして、その夜に、

慈悲の気持ちで、西側指定で眠って、無我の思惟って、

やること多くない?

そうすれば、

夢の中に大菩薩らと無量の諸仏が現れて、

大菩薩

なんじが図画した曼荼羅は、まことに殊勝(しゅしょう)である。

と褒めるでしょう。

プーニャ&えん坊

慈悲の気持ちで、西側指定で眠って、無我の思惟の行為ではなく、

マンダラの描写を褒めてくれんだね・・・

しかも、夢の中でって、、、。

そして、次に、

信心深い人に伝えて、灌頂を授けたらよいでしょう。

プーニャ&えん坊

人に勧めるの早いよ・・・。

まだ夢から覚めたばかりだし、

肝心の降臨したのも見てないよ・・・。

と、

曼荼羅の円壇(えんだん)のあるべき姿について説き終えました。

話を聞き終えると、

金剛薩埵は大日如来に、

金剛薩埵

この曼荼羅の名前は何と呼ぶべきでしょうか?

と質問します。

大日如来は答えます。

大日如来

これを大悲胎蔵生曼荼羅(だいひたいぞうしょうまんだら)という。

ぼーさん

他の経典にみられないこのやり取りは、原始仏典第一経「梵網経」の最後に出てきています。

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そして次に、

《大日如来はマンダラの造壇の作法を説きます。》

土地を清浄にする。

水瓶に香水をみたし、

降三世明王の真言をとなえて、加持してから人々に灌ぎ、授けて飲ます。

そして、

その夜に曼荼羅を図画する。

伝法の阿闍梨(あじゃり・師匠のこと)は白、赤、黄、青、黒の五色の糸を持って、

諸仏に礼拝して、

東方から右回りに、南→西→北に線を引いて区分し、四囲に門をつくる。

中央に白蓮を図画する。


「胎蔵マンダラは、すべてこの白蓮から生じ、八葉蓮華の中央に大日如来が金色に輝き現れる」

プーニャ&えん坊

やっぱり現れてくれたんだね!

ぼーさん

ここから経典では、

大日如来からみて、北や左と教説されていたり、いろんな菩薩が登場しますが、

マンダラの図は上が北ではなく東の方向や、聞きなれない菩薩名などたくさんでて、

とてもややこしいです。

詳しく図解で解説している下記の本などをみながら、経典を読むことをおすすめします!

東(遍知院)には、卍の一切遍知印を三角の内に書く。色は純白で、まわりに光焔で囲む。

北(蓮華部院)には、観世自在菩薩で、右に眷属のターラー菩薩、勢至菩薩と馬頭観音を書く。

大日の左(南の金剛部院)には、三世明王

西(持明院)には、持金剛をおく。不動明王、勝三世明王もかく。

次に、

第二院(外側の第二重マンダラ)

《第二重マンダラとその外側の表現を説きます。》
胎蔵界4重図

釈迦院に釈迦如来を書く。右に母のマーヤ、左に五仏頂如来を書く。

最外院の東の隅に火天アグニを書く。

その左に閻魔王、帝釈天(神々の帝王インドラ)、日天衆(太陽の神スーリヤ)を書く。

最外院の西、もろもろの地神と弁財天(川の女神サラスヴァティ)、毘紐天(びちゅうてん・ヴィシュヌ)と風神(ヴァーユ)と月天(がつてん・月の神チャンドラ)
門の両側には、龍王(ナーガラージャ)の難陀(なんだ・アーナンダ)と跋難陀(ばつなんだ・ウパナンダ)を書く。

次に、

第三院の文殊院に妙吉祥(みょうきちじょう・マンジュシュリー・文殊菩薩)

除蓋障院(じょがいしょういん)に除一切蓋障と、施一切無畏の菩薩、除一切悪趣の菩薩
など八菩薩を書く。

地蔵院に地蔵菩薩を書く

虚空蔵院に虚空蔵菩薩を書いて、 

以上が大悲蔵曼荼羅の諸尊の位置である。

《大日経ほぐし読み②「入曼荼羅具縁真言品第二の一」おわり》 つづく

えん坊&プーニャ

ねぇ、ぼーさん!マンダラの書き方って「大日経」で詳しく説明されているんだね!

ぼーさん

えん坊、ほんとだね!
書き方に加えて、作法や唱える真言も細かく伝えてくれているんだね!
「大日経」を読むと、マンダラの見方の理解が深まるね!
次はどんなことを教えてくれてるんだろうね?続きも見てみよう!

マンダラの書き方
マンダラの書き方
えん坊&プーニャ

えん坊マンダラ上手に書けました~♪

ぼーさん

えん坊、砂マンダラみたいだね!(笑)
またビーチクリーンも行こうね!

大日経ほぐし読み①はこちら↓

護摩の作法「大日経」
「大日経」灌頂と投華得仏 護摩の作法 入曼荼羅具縁真言品第二の余(にゅうまんだらぐえんしんごんぼん 二の二)ほぐし読み③ この「大日経」(だいにちきょう)入曼荼羅具縁真言品第二の余(にゅうまんだらぐえんしんごんぼん 二の二)は、角川文庫「全品現代語訳 大日...

マンダラの解説を確認するのにおすすめの本

①「図解」マンダラのすべて PHP研究所 著者:西上西曜先生

この本は「マンダラ」の解説ですので、

密教に特化した内容ではないですが、

古代遺跡の円形から、ユングが描くマンダラ、西洋のバラの花、インドの蓮華の花、

いろんな角度からの解説がとても興味深くとてもおもしろい内容です。

マンダラの構成の解説も、図で細かく説明されていて、

菩薩についても補足説明がされています!

「大日経」と照らし合わせた解説もされています。

が、

全体に、マンダラは宇宙を表現して、宇宙はすべてを生み出す、生み出すのは女性の子宮、

マンダラは性的な要素が強いと解説される方向性が強いので、

「マンダラのすべて」の、スピリチュアル的な解説書として読むのもおすすめです。

②全品現代語訳 大日経・金剛頂経 角川文庫 著者:大角 修先生

「図解」法華経大全がとても読みやすかった、大角先生の密教経典の本です。

なんと令和元年初版なので、最近の新しい本です。

全訳ではないので、「大日経・金剛頂経」の全部の理解はできません。

が、

「全品の訳」があるので全体が理解出来ておすすめです!

この本では、最初に密教と日本の神仏の話から始まっていて、

神仏習合の話から、空海の真言密教の話へと繋がります。

お経の途中にも空海の教義の解説が入ります。

「インドで出来た中期密教」と「空海の教義」が混じるので、

経典の教義を整理しながら読む必要があります。

全体に、細かい解説に図での説明も入るので、とても分かりやすい本です。

全訳で紹介してもらえたら最高だったと思ったのですが、

元の経典が膨大な量なのかもしれないですね。

金剛頂経では灌頂法も詳しくでてきます、

さらに、「秘密成就法」の説明もでてきますので、

密教の「大日経」「金剛頂経」の経典を読みたい人で、

「秘密の教え」を知りたい人には、

文庫本で持ち運びも容易なので、大変おすすめです!

法華経のこちらも全品訳なので、おすすめです!↓

⑥図説・マンダラの基礎知識 大法輪閣 著者:越智淳仁先生

「大日経」の二品にでてくる「マンダラ」は、

もともとは「砂で書いたマンダラ」との解説があり、

「砂マンダラ」の描き方と作法をチベットの僧侶さんが7日間かけて実演しているので、

最初から最後までの全容がカラー写真でわかります。

図説を超えて、実録ドキュメンタリーです。

さらに、

胎蔵界マンダラの図の解説も、菩薩408尊に番号を振って写真付きで解説されています。

経典別で五色の説明など、とても細かい解説もされています。

「大日経」、「金剛頂経」それぞれの瞑想の解説もあり、

他にも、

インドネシアのボロブドゥール寺院の上から見た平面図と

チベットのペンコルチューデ寺院の上から見た平面図が

そっくりで、共に立体マンダラを表している解説なども写真と図であります。

建築や美術の図鑑みたいで、

ペラペラと眺めているだけでも、世界の密教と歴史を感じることができて、

ロマンがあふれてくる楽しい本です。

経典全体を理解してから、さらに理解を深めるのに役に立つ一冊です。

題名の基礎知識を超越している「詳しく研究されたカラー図解の解説書」です。