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ブッダがラーフラに入出息念の瞑想を教えるお経 中部経典 第62経 『大ラーフラ教誡経』ほぐし読み

中部経典 第62経 大ラーフラ教誡経
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ブッダがラーフラに入出息念の瞑想を教えるお経 中部経典 第62経 『大ラーフラ教誡経』

「入出息念の修行法」
《ブッダはラーフラに五蘊は無我の教えを語ります》

アーナンダ

わたしは、このように聞きました!キラキラ♪

ブッダは早朝に衣を身につけ、

衣鉢をもって行乞に行きました。

ラーフラも世尊の後に従いました。

ブッダはラーフラに語ります。

「過去・現在・未来の物質(色)で、
内にあるもの、外にあるもの、
粗大なもの、微細なもの、
卑しいもの、尊いもの、
遠くにあるもの、近くにあるもの、
すべての物質(色)は、

ブッダ

『それはわたしのものではない。わたしはそれではない。それはわたしの自我ではない』

と、

このように正しい智慧であるがままに見られるべきです。」

これを聞いて、

ラーフラはブッダに問いかけます。

ラーフラ

物質(色)のみですか?

ブッダは答えます。

ブッダ

物質もそうですし、

感受(受)・表象(想)・形成力(行)・意識(識)も

そうです。

「色受想行識」の五蘊(ごうん)はこちら↓

五蘊(ごうん)色受想行識「図解」
五蘊(ごうん)とは わかりやすく簡単に「色受想行識」自己を形成する五つの要素 五蘊(ごうん)をわかりやすく「図解」で簡単に説明します。他の沙門が説く自我である「我(が)」の「アートマン」を否定して、ブッダは自分...

会話が終わると、

ラーフラは滞在場所に戻り、

樹の下にいって、体をまっすぐに伸ばし、

精神(念)を前面に集中して、跏趺(かふ)を組んで座りました。

そして、

坐っているラーフラをみた尊者サーリプッタが、

ラーフラに語り掛けます。

サーリプッタ

ラーフラよ、

呼吸に対して精神を集中する入出息念の修行をしなさい。

呼吸に対して精神を集中する修行を修習し、

数多く行えば、大きな結果があり、

大きな利益があります。ニヤリ!

ラーフラは夕方に静坐より立って、

ブッダのもとに行って、

質問をしました。

ラーフラ

尊師よ、

呼吸に対して精神を集中する修行をどのようにして修習して、

どのように数多く行えば、大きな結果があり、

大きな利益がありますか?

ブッダは答えます。

《地水火風と空の要素から厭離する教え》

                                                                      「地の要素」から厭離(おんり)し、

ブッダ

『それはわたしのものではない。わたしはそれではない。

それはわたしの自我ではない』

と、

「地の要素」からこころを離れさせるのです。

「地の要素」
自身の固くて執着されたもので、髪の毛・爪・皮膚・肉・筋・心臓・骨髄・胃の内容物・糞など

そして、次に、

「水の要素」から厭離(おんり)し、

ブッダ

『それはわたしのものではない。わたしはそれではない。

それはわたしの自我ではない』

と、

「水の要素」からこころを離れさせるのです。

「水の要素」
自身の液体で執着されたもので、胆汁・痰・膿・血・汗・油・涙・鼻みずなど

そして、次に、

「火の要素」から厭離(おんり)し、

ブッダ

『それはわたしのものではない。わたしはそれではない。

それはわたしの自我ではない』

と、

「火の要素」からこころを離れさせるのです。

「火の要素」
自身の火的なもので執着されたもの、老いさせるもの、燃焼させるもの、食べ飲み噛み味わったものを消化させるものなど

そして、次に、

「風の要素」から厭離(おんり)し、

ブッダ

『それはわたしのものではない。わたしはそれではない。

それはわたしの自我ではない』

と、

「風の要素」からこころを離れさせるのです。

「風の要素」
内の自身の風的な執着されたもので、上に行く風、下に行く風、腹外の風、腹内の風、吸う息、吐く息など

そして、次に、

「空の要素」から厭離(おんり)し、

ブッダ

『それはわたしのものではない。わたしはそれではない。

それはわたしの自我ではない』

と、

「空の要素」からこころを離れさせるのです。

「空の要素」
自身の空的な執着されたもので、耳の孔、鼻の孔、口の門、食べ飲み噛み味わったものを飲み下し、またそこに食べ飲み噛み味わったものがとどまり、下腹部より排泄するものなど

ぼーさん

大乗仏教の「空」(くう)の概念とは違いますね!

さらにブッダは、

ラーフラに教えを続けます。

《地水火風と空の要素と等しくなる修行》

ラーフラよ、

ブッダ

地と等しくなる修行をしなさい。

そうすれば、

こころにかなった接触と、

こころにかなわない接触とが生じても

それはこころを占拠してとどまることはないのです。

たとえば、

地に清らかなものを投げても、

不浄なものを投げても、

糞を投げても、

尿をなげても、

唾を投げても、

膿を投げても、

血を投げても、

それによって、

地が困惑し恥じ嫌悪することはない。

ラーフラよ、

これと同様に、

ブッダ

地と等しくなる修行をしなさい。

こころにかなった接触や、

こころにかなわない接触が生じても

それはこころを占拠してとどまることはないのです。

水の要素・火の要素・風の要素・空の要素も同様に修行するのです。

さらにブッダはラーフラに、

慈悲喜捨の修行を教えます。

《慈悲喜捨、不浄、無常の修行》
ブッダ

慈(いつくしみ)の修習をしなさい。

あなたが慈しみの修習をすれば、

怒りは消滅されるでしょう。

ブッダ

悲(あわれみ)の修習をしなさい。

あなたが哀れみの修習をすれば、

害意(がいい)は消滅されるでしょう。

ブッダ

喜(よろこび)の修習をしなさい。

あなたが喜びの修習をすれば、

不快は解消されるでしょう。

ブッダ

捨(中庸)の修習をしなさい。

あなたが中庸の修習をすれば、

障礙(しょうげ)は消滅するでしょう。

ブッダ

不浄(ふじょう)について修習をしなさい。

不浄について修習されれば、

貪欲は消滅されるでしょう。

ブッダ

無常(むじょう)であるという想いの修習をしなさい。

あなたが無常であるという想いの修習をすれば、

我慢(存在すると思う、我の慢)が消滅するでしょう。

慈悲喜捨の瞑想はこちら↓

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次に、

ブッダはラーフラに

入出息念の修習法を説きます。

《呼吸に対して、精神を集中する修行の修習法》

ラーフラよ、

呼吸に対して精神を集中する入出息念の修行をしなさい。

呼吸に対して精神を集中する修行を修習し、

数多く行えば、大きな結果があり、大きな利益があります。

では、

どのように修習するのか、

それは、

修行者は、

人気のない場所や林の、樹の下に行き、

体をまっすぐに伸ばし、

精神を前面に集中して、

跏趺(かふ)を組んで座るのです。

かれは意識して息を吐き、

意識して息を吸うのです。

息を長く吐きながら「わたしは息を長く吐く」と自覚し、

息を長く吸いながら「わたしは息を長く吸う」と自覚するのです。

息を短く吐きながら「わたしは息を短く吐く」と自覚し、

息を短く吸いながら「わたしは息を短く吸う」と自覚するのです。

「わたしはすべての身体を感知しながら息を吐くであろう」と修学して、

「わたしはすべての身体を感知しながら息を吸うであろう」と修学するのです。

おなじように、

私は、

「身行を静止して息を吐き、息を吸うであろう。」

「喜を感知しながら息を吐き、息を吸うであろう。」

「楽を感知しながら息を吐き、息を吸うであろう。」

「心行を感知しながら息を吐き、息を吸うであろう。」

「心行を静止して息を吐き、息を吸うであろう。」

「心を感知しながら息を吐き、息を吸うであろう。」

「心を歓喜させて息を吐き、息を吸うであろう。」

「心を解放させて息を吐き、息を吸うであろう。」

「無常を凝視して息を吐き、息を吸うであろう。」

「離欲を凝視して息を吐き、息を吸うであろう。」

「消滅を凝視して息を吐き、息を吸うであろう。」

「捨離を凝視して息を吐き、息を吸うであろう。」

ラーフラよ、

このように、

呼吸に対して精神を集中する修行を修習し、

数多く行えば、

大きな結果があり、大きな利益があります。

そして、

「その最後の呼吸は感知されながら消滅する。感知されずに消滅しない。」

世尊はこのように説きました。

ラーフラは歓喜し、世尊の教説を信受しました。

尋・伺・喜悦・楽・一境性の五禅支はこちら↓

ブッダの教え「用語集」
五禅支(ごぜんし)とは ブッダの教え・仏教・用語 五禅支(ごぜんし)とは「尋・伺・喜悦・楽・一境性」の五つの「支」でこころの精神作用です。色界(しきかい)の四禅(しぜん)を始めたとき...

中部経典 第六十二経 『大ラーフラ教誡経』 完

えん坊&プーニャ

ぼーさん!

この前のお経、第61経「羅云経」では、ブッダは業の浄化をラーフラに詳しく教説して、今回は入出息念の修法を詳しく伝えているね!

ぼーさん

えん坊、ほんとだね!

ブッダも実の息子を解脱させるために

・自己を形成する五蘊は無我

・地水火風空の要素からの厭離

・地水火風空の要素と等しくなる教え

・慈悲喜捨、不浄、無我の教え

そして、

・入出息念の修法と、

力の入った教説なのが今回も伝わるよね!

そしてなんと、

原始仏典には

前回の「羅云経」(らうんきょう)の

次に

この、中部経典 第六十二経 『大ラーフラ教誡経』

「入出息念の修行法」が出てきて、

そして、

中部経典 第147経 「教羅睺羅小経」

でついに、ラーフラが解脱に至ります。

入出息念の修法はとても詳しく説かれている、

「大念処経」の図解も合わせて見てみて下さい!

 中部経典 第六十二経 『大ラーフラ教誡経』のブッダの教えポイント

・自己を形成する五蘊は無我
・地水火風と空の要素から厭離する教え
・地水火風と空の要素と等しくなる教え
・慈悲喜捨と不浄、無常の教え
・入出息念の修法の教え

瞑想の修法で最も重要なお経↓

大念処経「図解」
大念処経(だいねんじょきょう) 瞑想方法が詳しく説かれた最も重要なお経 わかりやすい「図解①」ブッダの教え 大念処経(だいねんじょきょう)をわかりやすく「図解」で2回に分けて説明します。ブッダが瞑想方法をとても詳しく説いているお経が大念処経で...
大念処経「図解②」
大念処経(だいねんじょきょう)の瞑想方法 わかりやすい「図解②」ブッダの教え 大念処経(だいねんじょきょう)をわかりやすく「図解」で2回に分けて説明します。四念処(しねんじょ)の「身・受・心・法」の「身・受・心」...

業の浄化の説法「羅云経」↓

羅云経(らうんきょう)中部経典 第61経
ブッダがラーフラに 業の浄化 を説くお経 原始仏典 中部経典 第61経 「羅云経」(らうんきょう経)ラーフラへの説諭 ほぐし読み 原始仏典 中部経典 第61経「羅云経」(らうんきょう)はブッダがラーフラに業の浄化を説くお経です。読みやすくほぐして、さらにブ...