原始仏典の読み方のコツを図解で解説します。原始仏典を読むにあたり、まずブッダの教えをひろいあげて、ひとつひとつ「ブッダの教え図解」と照らし合わせて読んでいくと理解しやすくなります。原始仏典も読みやすくほぐしています。


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原始仏典の読み方「六事成就」(ろくじじょうじゅ)
わたしはこのように聞いた。あるとき世尊は五百人の比丘の大きな集団と一緒にラージャガハを歩いておられた・・・、
さて、世尊はアンバラッティカー園のなかの王の休憩所に行き・・・。
わたしはこのように聞いた。あるとき世尊は五百人の比丘の大きな集団と一緒にラージャガハを歩いておられた・・・、
さて、世尊はアンバラッティカー園のなかの王の休憩所に行き・・・。
原始仏典のブッダの教えをひろう
長部経典 第一経「梵網経」と第二経「沙門果経」にでてくる教えをひろう


「原始仏典」の長部経典は一つのお経がとても長い内容になっています。「原始仏典」独特の表現で同じような言葉のいいまわしが3回繰り返し表現されて出てきたりもします。読んでいる途中で何のことが言いたいのか、言っていることの違いはなんなのかを見失ってしまいがちになります。そこで、第一経の梵網経と第二経の沙門果経の抑えるべきツボを先に拾い出しておきます。
第一経 梵網経(ぼんもうきょう)の教え
・「凡夫が如来(ブッダ)を称賛する内容」
は、ブッダは
・「小中大の戒律」
(参考:「戒律」とは「戒」と「律」)
を守ると言う、
他の宗派は、
・「62の間違った見解」
(参考:間違った62の見解)
で「我・が」があるというが、
それは、
・「接触の場の感受」
(参考:「感受」して「煩悩」の三毒)
であって、「我・が」は過去にも未来にも存在しない。
その感受は、
・「縁起」
(参考:「十二縁起」苦が生まれる順序)
で自分の中で生まれてくる「苦の真理」(四諦)であり、
その間違った62の見解以上に正しい境地とは、
想うこころ
受けるこころを
滅する、
「想受滅」、阿羅漢の境地ですよ。
(参考:ブッダの瞑想の境地)
「ブッタは固執がないから、心のうちに寂静があり、感受の生起する原因と消滅と過患と出離とを正しく知って、執着を離れている。」
第二経 沙門果経(しゃもんかきょう)の教え
第一経「梵網経」を受けて、次の第二経「沙門果経」で「阿羅漢」になる修行方法のお経が編成されているのがわかります。
・六師外道の修行の成果
(参考:沙門の思想と六師外道)
・仏陀の説く出家の離の成果
(参考:「戒律」とは「戒」と「律」)
・如来がしている教示《仏の十号》
《仏の十号》
ブッタは①威徳ある人、至福をもつ人、神聖な人の意味の世尊と呼ばれ、②修業完成者でほかの人から供養されるに値する人の阿羅漢であり、③正しく覚った正真の覚者(サンマサンブッタ・三藐三仏陀)、正遍知とも正等覚とも呼ばれる者であり、④智慧の明と修業の実践の行の具足完備した明行足と呼ばれる者であり、⑤完全に仏の悟りの世界に逝く善逝と呼ばれるよく逝ける者であり、⑥世間を見抜いて悟りを教示できる世間解とよばれ、⑦この上ない最高境地を体得した人の無上なる存在であり、⑧仏性をそなえるすべての人間の調練者である調御丈夫とよばれ、⑨天人と人とすべての生き物の教導の師であり、⑩仏のブッダで真理を覚った覚者。
(参考:「四向四果」)
・完全無欠の梵行
(参考:「梵行」(ぼんぎょう))
・出家の離の成果
(参考:「戒律」とは「戒」「律」)
・小中大の戒
(参考:「戒律」とは「戒」「律」)
・感覚器官の防護
(目・耳・鼻・舌・身体の感覚器官の防御)
・注意力と明瞭な意識
(参考:「四念処」気づきの瞑想)
・満足(最低限の持ち物や食べ物で満足する)
・障害の除去
(参考:五つの障害「五蓋」)
・四禅
(参考:「四禅」色界の瞑想)
・無我の理解洞察
(禅定で生じる、無常・苦・無我を観察する智慧の意味)
(参考:「四禅」色界瞑想で四諦を理解)
・意から成る智
(参考:「神通力」瞑想で得る能力)
・宿居智、過去を知る
(参考:「神通力」瞑想で得る能力)
・天眼智、未来を見る
(参考:「神通力」瞑想で得る能力)
・漏尽智
(参考:「神通力」瞑想で得る能力)
・「苦」を知る
(参考:「四諦」苦の真理)
・解脱
(参考:ブッダの教えの目的 輪廻からの解脱)
・仏教に帰依(帰仏物語)
(参考:バラモンの思想)
「過去・未来・漏尽智」は中部 第36経「ほぐし読み マハーサッチャカ経」で雰囲気が掴めますよ!
おすすめの読み方
①読みやすい「沙門果経」を読んで、ブッダの教えをざっと理解する。
②六師外道のマンガで他の思想家の考え方を簡単に理解する。
③「梵網経」を読んでから、「十二縁起」、「想受滅」、「戒律」を詳しく理解する。
しかし、ほんと、読んでるうちに楽しくなってくるね!
本物の「原始仏典」を是非、楽しんで読んでみてくださいね~!

